ケータイマンガ品評 補の2 ― PCマンガに比べた高収益性、“やおい”=エロ
電子コミックビジネス調査報告書2008 サンプル
http://www.impressrd.jp/sample/ecomic_mihon.pdf
2008年3月末時点のタイトル数(サイト間の同一タイトル重複を除く)は、PCマンガが約3万8,000、ケータイマンガが約2万。
2005年度(2006年3月末時点)は、PCマンガが約1万6,000だったため、2年で約2万2,000増。年に平均約1万1,000ずつ増えている計算。
ケータイマンガは約3,500だったため、2年で約1万6,500増。年に平均約8,250ずつ増えている計算。
ケータイマンガは、タイトル数でPC向けの6割程度しかなく、その増加スピードも遅い。
一方、市場規模は9倍近くの差がある。
1タイトルあたりの便宜上の“売上”を導くと、PCマンガの6万8,421円に対してケータイマンガは114万5,000円。現状では、ケータイマンガのほうが1タイトルあたり約108万円、多く稼いでいることになる。セルシスのケータイ向け変換ソフトの購入や人海戦術による変換作業といった経費を差し引いても、どちらのほうがカネになるかは明らかに見える。
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20〜21ページで著者の分析が披露されている、「ケータイマンガの成長は、10代・20代の女性が密かに購入しているBL・TLの伸びによるところが、2007年度は大きかった」という箇所は、数字的な根拠を示していない。サイトをめぐっていれば、BL・TLの人気は実感として分かる。が、伸び率に対してどの程度の貢献があったのかは、よく分からない。
興味深い点として、分析者は、BL・TL=“やおい”を、VHS黎明期のアダルトビデオ、インターネット黎明期の無修正エロ動画になぞらえている。“やおい”が、新興市場の形成に一役買った初めて(?)の事例として認識されると同時に、「“やおい”はエロである」というある種の裏付けを積極的に与えたのかもしれない。
かもしれない(なんか漠然と不安なので二回言う)。