もうすぐ4周年の少年シリウスを振り返る企画。


2005年7月号の創刊からもうすぐ4周年。
創刊号は、かなり手放しでプッシュした。
でも4年経てば、それ相応に中身も変わる。
いつのまにか創刊初期の作品は「怪物王女」と「Aventura」の2作品くらい(……あー、「四季使い」はパス)。
どんなマンガ誌も、創刊から数年は激しい淘汰と方向修整の期間。
気に入らない転換も幾つかあったけど、それは雑誌づくりの宿命。
でも、面白いマンガ、惜しいマンガも当然あったんだ。




【創刊号】


作家
シリウス
シリウス
シリウス後・戻
旭凛太郎ガキ警察、TWO突風! (少年チャンピオンDoubleCross 裏切りの十字架 (創刊号〜2005年12月号)嗚呼! 旧車會ヤングチャンピオン
山口譲司その気にさせてよmyマイ舞 (少年チャンピオン0←→1Rebirth (創刊号〜2005年12月号)螺天−BIRTH− (GENZO)、くノ一魔宝伝 (ビジネスジャンプ
武本糸会挿絵が中心ぼくと未来屋の夏 (創刊号〜2006年8月号)獣の奏者 (2008年12月号〜)
加藤和恵赤マルジャンプで読切ロボとうさ吉 (創刊号〜2006年12月号)青の祓魔師ジャンプスクエア2009年5月号〜)
堂高しげる全日本妹選手権!! (ヤングマガジンアッパーズもえちり! (創刊号〜2006年12月号)同人はっけん伝 (チャンピオンREDいちご6号〜)
ふくやまけいこ色々たくさん夏の魔術 (創刊号〜2007年3月号)ひなぎく純真女学園 (コミックリュウ)、話の話 (コミックラッシュ不定期)
佐々木ミノル炎天のいろは (創刊号〜2007年5月号)ブレイクハンズ〜星石を継ぐ者〜 (コミックアライブ2008年7月号〜)
ふる鳥弥生ふくふく。 (コミックシード!)幽霊旅行代理店ソウルメイトツーリスト (創刊号〜2007年7月号)図書館戦争 SPITFIRE! (コミック電撃大王2008年1月号〜中断)
いちば仔牛圏外です (創刊号〜2007年12月号)ポチッと! (2008年10月号〜)
白井三二朗ジョバレ! (ヤングマガジンアッパーズDearMonkey西遊記 (創刊号〜2007年12月号)射雕英雄伝EAGLET (2009年3月号〜)
いーだ俊嗣WOLF'S RAIN (マガジンZテレパシー少女「蘭」 (創刊号〜2009年5月号)
まがりひろあき魔女っ娘つくねちゃんヤングマガジンアッパーズ魔女っ娘つくねちゃん (WEB〜2008年11月号)魔女っ娘つくねちゃん ふらっしゅ (WEB)、よいこのしごとまんがライフ
能田達規おまかせ! ピース電器店、ORANGE (少年チャンピオン時間救助隊タイマー3 (創刊号〜不定期〜2006年11月号)オーレ! (コミックバンチ)、家族戦隊ノック5 (ヒーロークロスライン
藤山海里龍眼 ドラゴンアイ (創刊号〜2008年5月号中断)


やっぱりショックが大きかったのは、仕切りなおしのはずの「スターゲイザー編」が1話きりで無かったことになった「ロボとうさ吉」。でもそこから2年半を経て、加藤和恵が今月のジャンプSQからいよいよ新連載。イイ感じに切れたパンク神父の父親がいきなり亡くなったり、女子キャラいないなーな第1話で、やきもきさせられるも、やっぱりワクワクが勝る。
「炎天のいろは」の佐々木ミノルは、アライブに移籍。すでに単行本を2巻まで出した。
一方で、同じサークル“虹色マンション”出身組みで心配なのは、「龍眼」の長期中断。噂のカケラも届いてこないので、それこそ本当にやきもきさせる。
武本糸会と白井三二朗の連載復帰はうれしかった。いーだ俊嗣も期待していいかしら。




【初期】


作家
シリウス
シリウス
シリウス
オオシマヒロユキ×猪原大介学園ノイズ (コミックゼロサム21世紀番長 (2005年8月号〜2005年12月号)オオシマヒロユキバンドデシネ作家に転向、猪原大介は猪原賽名義で原作者として活動
石川マサキひぢりれい名義で多数魔法使いのたまごたち (2005年8月号〜2007年8月号)私立トアール学園2年☆組物語 (コミックアライブ)、放課後探偵倶楽部 (月刊ヤングキング2009年4月号〜)
新居さとし地球防衛OLいちご (コミックフラッパー)、おきらく魔法少女隊!? (MAGNA)あくはむ (2005年8月号〜WEB〜2008年4月号)ケロケロおもちゃ研究所 (ケロケロエース)、うみねこ通りのペルさん (コンプエース
越智善彦イグドラシル (コミックコンプ)、風の惑星ゼファー (少年キャプテン海の人 (2005年9月号〜2006年3月号)ザールブルグ錬金術士シリーズ (エンターブレイン系)
上山道郎機獣新世紀 ZOIDSコロコロコミック鉄甲神剣ゴウジン (2005年9月号〜2006年6月号)ツマヌダ格闘街ヤングキング2006年21号〜)
鈴見敦Venus Versus Virusコミックガオ!はりだま退魔塾 (2005年9月号〜2006年1月号)、アメフラシ (2006年8月号〜2007年8月号)Venus Versus Virusコミックガオ!コミック電撃大王)、ナイトメア・ゴー・ラウンド (ヤングガンガン2009年8号〜)
ハザマ☆マサシRaPuTEKI (2005年10月号〜2006年8月号)


最近、大王での長期連載を終えた鈴見敦シリウスでの連載終了後も単発企画の度に顔を出してるので、また描いてくれることもありえそうか。
一般進出初連載の「魔法使いのたまごたち」が途中から箸にも棒にもな出来に陥っていった石川マサキは、その後、ひぢりれい名義に戻ってホットミルクなどに描いた後、今年から月刊ヤンキンで一般連載を再開。上山道郎もヤンキン本誌での月イチ連載がノッてる。こちら2人はシリウスとは別に関係なく、そのまま頑張っていって欲しい。
知らなかったのはオオシマヒロユキバンドデシネ転向。おどろいた。日本での出版はあるのかしら。
越智善彦は同人で追いかけてくほうが確実っぽい。
そういえば「ゴウジン」の単行本告知ページで一時期、煽り文句に入っていた「重大企画進行中!」は結局、どういう顛末を辿ったの、ねぇ。





【中期】


作家
シリウス
シリウス
シリウス後・戻
神宮寺一機巧奇傳ヒヲウ戦記マガジンZZeRonの火蓋 (2006年1月号〜2007年4月号)幕末めだか組(月刊少年マガジン2009年6月号〜)
後藤イチオ?未来からのヒットマン おいちょカブ! (2006年2月号〜2006年10月号)カリンコ5 (月刊ヤングキング
伯林しゅーまっは少年チャンピオン)、竜宮戦記 (少年エースふぁにぃみゅうじあむ→ふぁにぃわーるど (2006年6月号〜2009年5月号)まじらぼ (ヤングチャンピオン烈
野沢ビーム怪談で踊ろう、そしてあなたは階段で踊る (2007年3月号〜2007年10月号)リアライズ (2008年8月号〜)
志村貴子放浪息子コミックビーム)、青い花エロティクスFルート225 (2007年3月号〜2008年3月号)放浪息子コミックビーム)、青い花エロティクスF
秋山明子LOBOS (2007年4月号〜2009年6月号?)
坂井恵理ラブホルモン (別冊ヤングマガジンパプリカ〜The dream child〜 (2007年5月号〜2007年7月号)
こいおみなとオレ通AtoZ (ヤングマガジン)、イオ (別冊ヤングマガジンアルト (2007年6月号〜2008年8月号)
片山ユキヲ空色動画 (2007年10月号〜2009年4月号)


2006-2007年に終了した作品/作家は、まだ間もないせいか、志村貴子のように他誌で並行して描いてた作家を除き、消息不明のケースが目立つ。
そういうことにならないよう、片山ユキヲの早期復帰or他誌転出を応援したい。
「怪談で踊ろう」の物語中盤からの盛り上がりで評価をあげた野沢ビームの現行の連載、「リアライズ」は、どうもイマイチ。ときたま百名哲と見間違う。
物語中盤からリアルお騒がせモードに入った「アルト」のこいおみなとは、もう講談社自体で描かないような気がするなぁ。




【新人賞】


作家
新人賞
受賞作orシリウス
シリウス
晴瀬ひろきプレ第1回ユウナギレクイエム〜僕と彼女の復讐記〜 (創刊号)ゆーあい☆エトランゼ (コミックシード!)、アリソン (コミック電撃大王
一文字蛍プレ第2回銃姫 (2006年4月号〜2008年9月号)転生神機メロウガイン (FlexComixブラッド2008年10月〜)
瀬川サユリ第1回入選橋姫プレイ選科 (2007年11月号〜2008年4月号)
倉橋ユウス第2回入選劇団サプリコミック (2006年4月号)レモンにビタミンCはそれほど含まれていない (ドラゴンエイジ)、コミックラッシュコミック電撃大王コミックアライブで読切
上田悟司第3回入選DripTrip (2007年3月号)、ケンたま (2008年1月号〜2008年6月号)FLAGS(少年ライバル2009年6月号〜)
高橋祐第3回奨励賞今日のミカド (WEB、2007年7月号〜不定期)-
カトウコトノ第5回入選アナスタシアの親衛隊長 (2007年4月号)、将国のアルタイル (2007年9月号〜)-
ひゅーが第5回佳作犬のお巡りさん (2008年4月号)、すずめのなみだ (2008年2月号〜)-
ヤマモト岳輝(山本岳輝)第5回奨励賞めいぐる (WEB、2008年1月号〜不定期)-
水あさと第6回入選正義の覆面 マフラージャスティス (2007年5月号)、世界制服セキララ女学館 (2008年2月号〜)-
つじ要第7回担当特別賞論理少女 (2008年4月号〜)-
高坂タカユキ第7回担当特別賞雷獣シシマル (2008年12月号〜2009年5月号)
成瀬芳貴第7回佳作パレットナイフ (WEB、本誌未掲載)兄弟−BROTHERS− (ガンガンWING
いちい達成第8回入選ルリアーにゃ!! (2008年1月号〜)-
ソガシイナ第9回入選NECROMANCER (2008年6月号)、NECROMANCER (2009年5月号〜)-
奥はるか第10回担当特別賞ちょいひめ (2009年6月号〜)-


新人賞は、連載を終えた作家だけでなくこれからの作家についても。
ざっくりと第5回入選のカトウコトノ以前・以後という感じで分けられそう。
以前の受賞者でもっとも期待した倉橋ユウスは、ドラゴンエイジで連載を掴むも単行本化はならず、その後、ラッシュ・大王・アライブで断続的に読切を掲載。苦労がしのばれる。最近アライブに掲載された先天性記憶喪失モノの読切はなかなか改心の出来で、続編の読切が近々再掲されるよう。大王では飼い殺しされてる気配がぷんぷんしてたので、これを機会にアライブで連載をもう一度掴んで欲しい。晴瀬や一文字もそれぞれ他誌・他WEBで連載を掴んでる。瀬川や上田についてもシリウス以外を視野に入れてておかしくないだろうな。
一方で、これまで表紙を2度、3度と担当したカトウは、明らかに別格扱い。カトウが出てきてから、新人に対する育て方や方針も多少変化が生じてきたように感じる。連載開始の時点とそこから数ヶ月の間に、創刊号組みの連載が終わっていったことを合わせて考えると、このあたりからシリウスが“第2期”に入ったという印象を持つ。ただ、生え抜きの作家でヒット作を育てあげたという実績には、もう1-2年が必要か。次号の6月号で新人賞作家として2例目の表紙担当になるいちい達成は、今のところそんなに注目してないのだけど、カトウのように化けられるか。2冊目の単行本に手をかけた水あさと、つじ要が好調子をこのまま保てるか。何より、カトウのようなターニングポイントになるような新人をまた出せてこれるか。


「夜桜」や「怪物」、「乱飛」といった人気作と、これら新人賞出の作家で競いあっていく様子を注目していきたい。









……で、その緩衝地帯に、「できそこない」の箱宮ケイがのほほんとしてる、そんな感じ。