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- ユリイカ6月号
- 橋本治特集。講演を収録した「恋愛論」で橋本が泣くシーンをもう一度、読み直したくなった。
- 岸川真の「私的体験・橋本治一九九〇」と、千野帽子「This year's girlと赤衛兵。」と、ゆずはらとしゆき「甘美な忘却、キャラクターになりたいひとびと。」を笑い転げながら読んだ。
- 自分と同世代と思われる、元炭鉱父の祖父から革命とは何ぞやを叩き込まれていた岸川真が、高校時代、母校の体育館へ講演にやってきた橋本から「(あなたたち高校生に)私、なーんにも期待はしていません」と申し渡されてしまう、がっくり感(非「がらスト」)。自分の親と同じ年代の橋本からそう言い渡されて、「なにかをしなくちゃ」「でもなにもわからないよ」とつぶやきながら、数年後の受験勉強に飲み込まれていく。なんで20年前のことでいまだにこんなにもだえなきゃならないんだろうね!
- 千野とゆずはらの2編は、ラノベ読み・界隈ウォッチャーなら抱腹絶倒。ゆずはらの論は、「ハイスクール八犬伝」が発表を許された80年代の過渡期性と、ラノベという枠組みが生まれた90年代におけるキャラクターからの"まがまがしさ"の排除などについて。ラノベ畑からブンガクに越境した桜庭一樹などのケースの意味とその後についても読ませる。
- 別冊少年マガジン7月号
- まんがタイムきらら7月号
- 「ふおん」終わっちゃうー。新連載で帰ってくるまで買わないー。つか、新連載の前に「ウチはおおきい」も終わっちゃうのかよ! それはイヤだ。
- 「少女公団アパートメント」。団地とか社宅って、大人はいろいろ気を使ったりもするけど、子ども同士は本当に楽しい。大きな庭の中に誰それちゃんの部屋が無数に散らばってるみたいなもの。全部が地続き。学校と違って、私的領域がはっきり区分けされているのに、大人と子どもでレイヤーが異なると、それが関係なくなる。そういう地続き感が作品と読者の間で共有できるマンガ。
- 「境界線上のリンボ」。人間とエルフの間に生まれることと、白人と黒人の間に生まれることと、キリスト教とイスラム教の間に生まれることと、ホモ・サピエンスとネアンデルタールの間に生まれることと。あるいはハーフエルフとハーフオーク。あまり本質的な違いはない。社会に溶け込めるかどうか、もしくは一定規模の集団を形成できるかどうか、が問われる。
- 「PONG PONG PONG!」。浅子の言う、モテたいけどカノジョいらないって、ハーレムマンガの心理を突いてるような。
- イラスト企画リレーエッセイは中村哲也。「切り揃えられた猫っ毛」は確かにもゆる。
- 安永航一郎「青空にとおく酒浸り」3巻
- 単行本収録はないだろうなーと思ってた24話、瀬戸内海の西のほうのすごい話の回がちゃんと収録されてた。