2万もしくは2万2,000という「数」の力について。


6/16の都議会本会議で否決された都条例改正案をめぐる問題で、山口貴士弁護士が発起人となって集めた反対署名は、6/19までに2万653筆にのぼった。署名を集めはじめた5/20からの1ヶ月間で、約2万の署名を集めたことになる。
また、一昨年の児ポ法改正案をめぐる問題で、山口弁護士が代表世話人を務めた「創作物の規制/単純所持規制に反対する請願署名市民有志事務局」が集めた反対署名は、2008年6月から9月末までの約3ヶ月間で、2万2,318筆にのぼった。
テーマ、募集期間、募集方法などは異なれど、いわゆる「オタク層」(とテーマにシンパシーを抱く人々)が表現規制問題で具体的に提示できる「数」の力は、おおよそ2万から2万2,000であると言えそうだ。
一方、都条例改正案をめぐる問題で、規制賛成・推進派を標ぼうする勢力の一つだったPTA系のある団体が集めた署名は、約4万5,000筆にのぼったという。募集方法などの点で、どれほど適切なやり方が取られたのか疑問をさしはさむ声もあるようだが、「数」の力だけにスポットをあてた場合、おおよそ倍の数を集めた形になる。*1
参院選の投票日が1週間半後に迫る中、この「数」の力を、選挙における票田に読み替えた場合、政治家にとって魅力的に写るのはどちらだろうか。
仮に、2万から2万2,000という数が、「オタク層」の提示できる限界の数字なのだとしたら、はっきり言って不甲斐なく思われ、苛立たざるを得ない。




選挙に行こう。



*1:署名は、筆数も重要だが、署名の紹介者としてどれだけ有能な議員に協力を願えるかもさらに大事なので、その点で、規制反対・慎重派は得がたい人材を獲得できているとは言える(貧しい人材しかいない規制賛成・推進派よりはよほど)。けれども、筆数が多ければ多いほど都合がいいことは間違いない。