コミティア94

  • 10:30、西ホール脇の駐車場に到着。曇り空、風無し、待機列を形成するのにほぼベストな天気。開場になり列が動きはじめたところで、テンションをあげるため先週末に買ったオーディオプレイヤーで“恋のメガラバ”を流しながら入場。
  • 西での拡大開催は初。で、東の拡大開催は会場全体が見渡せるレイアウトなのに対して、西のレイアウトはちょうど「門」の形になっているため、東と違って会場全体を一望できない。西2ホールの下のほうから周回をはじめて、右上のアクセサリージャンルまできたところでいつもの感覚でひと息つこうとして、……まだ半分も回ってないじゃん、と気づいた。
  • 脱力プロレス系マンガでブレイクの兆しが出ていた《にこらてすら》のマンガが商業誌で読めそうな話が進んでいるそうで、急増中(らしい)のファンは楽しみですね。
  • なんか久々に百合キス本を買えた。今回は茶道部
  • 企画タイプの合同誌では、《つゆくさ》や《ぴこぴこ。》が参加した恐竜本とか、《アルミカミカミ》の妖怪本がよかった。
  • 「おれせん」の人が「これはいい」とつぶやいてて気になってた「プロの現場で使えるパース講座」(加藤元浩)を《蹴りペンギン》で。コマの背景は「標準レンズ」じゃなく「望遠レンズ」で、といった、技術的に正しいパース技法ではない、マンガで使うための感覚的に正しいパース技法を分かりやすく丁寧に教えてくれる、マンガを描かない自分にも楽しい本。STEP1で、作家とアシスタントが共同でマンガを作る時、お互いの絵を合わせる(キャラの大きさ・位置取りにあった背景、またはその逆)ため、「パースは共通言語」だという定義が出てくる。マニュアルとしてはあまり明確になっていないけれど、非常に大切な約束事があるというのは、たとえば、プロレスのロックアップで相手の首筋の後ろをつかむ手は必ず左手とか、ヘッドロックは必ず左の脇で抱えるとか、たぶんそういった約束事に近いんだろう。普段、観戦している分には気にしていなくとも、右手や右脇ではない理由(←忘れたけど確か森達也の「悪役レスラーは笑う 「卑劣なジャップ」 グレート東郷 」に書いてあった)がそこにある訳で、マンガのパースにも同じような約束事がある(プロレスと違ってそれが絶対ではないにしても、知ってて損はない)。ただ、1,600円分の価値にはうなずくとしても、1センチくらいの本の厚みと重量は、拡大開催で荷物がどんどん増えていくことが分かっていただけに、買うのをちょいと躊躇させるものがあった。
  • あるサークルで見本を立ち読みしてたら、隣のサークルから聞いた声が聴こえてくるので見ると、ZINの店長の人が営業してた。熱心だなぁ、創作系に営業に来る同人ショップは、ZINくらいかも。
  • 新刊なしと早合点してた《SF研究会》。立ち話で「いや、あるって!」との情報をつかみ、閉場30分くらい前、今まさにダンボールに詰められようとしていた在庫から間際でGET。
  • 購入総額は4万1,780円。ティアで4万を超えたのは初めて。カバンに詰め詰めブースの間を回ってる時は重いなぁとは思っても買いすぎなんてちょっととも思わない。ドーパが出まくってんだな。
  • 紙がすきなんだなぁ自分は。一方で、デジタルの波も気になる。一昨日の電子書籍コミックサミットで聞いた鳥嶋和彦専務の講演と昨日の大塚栄志のプレゼンでは、どちらも試行錯誤がキーワードになってたと思った。大塚が主張していた、「「トキワ荘」のマンガ家たちがやってたいろいろな試みを今またやろうとしているということ」という趣旨のことは、ティアの参加者たちが紙主体でやってることと基本的には同じことだろう。ただ、デジタルの上で出版主導でやられようとしている試みは、まだ黎明期で市場規模がわずかに過ぎなかった「トキワ荘」時代の試みと違って、巨大な市場に成長したマンガを守らなくちゃならないという責任がともなっている。自由度や方向性が制限を受ける。大学での試みは人やカネで制限を受ける。だから、紙主体の即売会で、デジタルの試みをうまくアピールできるプレゼン形式が出てくるとおもしろくなるかもしれない。
  • あと《ハトポポコ》も本当に好きなんだなぁ、自分は。いろんな意味で。ところで《ハトポポコ》と《十月計画》の新刊にはある共通点がありました。なんでしょうか? 答え:ゴキブリを食べる。生で。
  • 新規開拓は、なかなか豊作。マンガ系では《傍流のせせらぎ》《風来堂》《機具類ピアノ》《すいめんとう》《後思案計画》《大作戦》《PLANET3310》《カッコガカリ》《パコキリン》《ユメトワラウナ》あたり。イラスト系では《バルタンク》《リネンドレッシング》《桂分校》《eighbee》《Bricologic》《ウシゴヤ。》あたり。特に《傍流のせせらぎ》の「カエカとオシケ」シリーズがやばい。自殺するため海に漕ぎ出したボートの上で、10年ぶりにであった三十路の女2人が、学生時代のトラウマちっくな思い出を互いに語り合う。絵の迫力で、不気味な怖さがつきまとってる。
  • アオハル、楽しみですね。