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  • 創 2月号
    • 特集は恒例の出版社研究。講談社は昨年12/1の機構改革で、ライツ事業局のデジタルメディア推進部にコミック販売局のマーケティング部が合流。膨らませたデジタルメディア推進部を「デジタルコンテンツ営業部」と「デジタルマーケティング部」の2部署に再編した、と。この機構改革の伏線としては、かってデジタル事業局という部署があり、ここがポータルサイト「Moura」やWEBマンガサイト「Michao!」を運営していたが、2009年6月に廃止され、デジタル関連がライツ事業局に、マンガ関連がコミック販売局に分割・再編された経緯を踏まえておくべき。つまりどういうことかというと、講談社社内の電子コミックに対する取り組みは、1年半前に一度、事実上ぽしゃっていた。したがって今回の機構改革は、1年半の間停滞状態に追いやっていた電子コミックに、ライツ事業局の下で改めて取り組もうとする動きになる。1年半前の「Michao!」解散などは、確かに収益面で満足の行く結果を出せなかった結果だとしても、電子コミックに対する新たな取り組みを疎かにする理由にはならなかったはず。だから、この機構改革は現時点では、1年半前にやっておくべきことを今になってやっと取り掛かっている、という出足の遅さを印象づけるものにしか見えない。ただもちろん、やらないよりはマシなので、今後のお手並みを拝見したいというところ。週現の部数大幅回復は素直に朗報。
    • 小学館は目立ったニュースなし。コロコロを卒業した読者や現役のコロコロ読者を取り込むため春頃から少年サンデーで「ポケモン」の連載を開始予定というくらい。少年誌の人気作を青年誌で、というパターンは珍しくないけど(「キャプ翼」2部とか)、幼年誌から少年誌という流れはほとんどないと思うので、その点では面白そう。つか、今はもうコロコロのほうがサンデーより部数多そうだ。誰が描くんだろ。小野せんせー?
    • 集英社は、10年選手の「ワンピース」「ブリーチ」「ナルト」の3本柱を除くと、初版でミリオン=100万部を刷るマンガは4年前の「DEATH NOTE」を最後に出せてないので、もっと頑張ります!と。週ジャンにとって非常に切実な問題であるのは分かるけど、目標のレベルが段違いすぎるわ。あと小学校低学年向けの「サイキョージャンプ」を秋に月刊化と。団塊ジュニア向けのジャンプSQが波に乗った今、ローティーン未満の開拓も力を入れないとね。
    • まったく気にしてなかったところ、ちょっと楽しみになってきたのが新潮社の@バンチ。業務提携を解消したコアミックスが昨秋に独自創刊したゼノンは、旧バンチ読者を想定した後ろ向きさで残念な出来だったのに比べると、新潮社が1/21に「5万部から7万部」で創刊する月刊@バンチは、「若くて伸び盛りのコアな読者のついている作家やオタク的な作家が登場」「20代から30代半ばぐらいのマンガをていねいに読む人向けの内容」「パチンコやパチスロ好きの「バンチ」の読者は継続して読んでいただけないかも」ということで一定の期待がもてそう。あと、大日本印刷と組んだことで、印刷だけじゃなくDTPスタッフ受け入れ・データ制作管理・サイトの構築運営・グループ書店のジュンク丸善などを通じた販促といったアウトソーシングによるコスト削減・効率化がどれほど成果をあげたか、来年の特集で追ってほしいところ。