6/12。
- 全日本プロレス「CROSS OVER 2011」 at 後楽園ホール(http://www.all-japan.co.jp/schedule/tour03.php?taikai_id=157)
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- すでに散々報道されている、5/29神戸大会の控え室でTARUがスーパー・ヘイトを殴打、暴行直後に行われた試合の後、ヘイトが吐き、急遽運ばれた病院で急性硬膜下血腫と判断され、開頭手術を受けた件(殴打と急性硬膜下血腫の因果関係は現時点で不明)。今日の試合前、内田雅之新社長と、責任を取って社長を辞任した武藤取締役、ほか所属選手一同がリングにのぼり、内田新社長から、この件についての簡単な説明と謝罪表明があった(フリー契約選手はリングにあがらず)。他の選手の言葉は無し。内田新社長の口から、TARU、スーパー・ヘイト、ブードゥー・マーダーズの個人名や組織名、殴打したTARUの無期限出場停止やB・Mの解散といった具体的な処分に触れられた場面はなかった。ほとんどの客は経緯を踏まえた上で来場していたとは思うけれど、もう少し経緯の詳しい説明がほしかったように思う(会場外の貼紙やチラシ、有料パンフに修正チラシを挟んで説明するのでも良かった思うけれど、それもなかった)。
- プロレスラーがリングの外で非ギミックの暴行を起こし、それによって結果的に相手を死の淵の間際に追いやった可能性がある……という事態は、はっきり言って、全日だけでなくプロレス界全体の過去を振り返ってもかなり前代未聞で、正直暗澹たる気持ちになった。2月の論外の飲酒タクシー運転や3月のドラゲーレフェリー大麻所持、さかのぼって2年前の三沢の試合中の死などとは、本業(肉体の行使)と直結することと意図(非偶発)して行ったことの2点で、ちょっとレベルが違う。運が悪かったとか魔がさした、とは出来ない問題。全日の顔である武藤が公式の場でこの件の説明と対応を行ったのが、暴行から1週間以上経ってからと遅かったことも気になる。今後、フリー契約選手の管理体制を強化するなどとしているものの、実際にどこまで可能なのか、強化によって試合内容の面白さを削ぐことにならないのか、よく見えないところがある。なにより、今もって、手を出したTARUの個人の資質に起因させていい問題なのかどうか、そこがよく分からない。TARU1人が(ギミック的な意味でなく)悪かったのか、それともプロレス界の体質的な部分が背景にあるのかどうか。ヘイトの回復が順調になったところで、そのあたりが徐々に分かってきてほしいし、必要なら改善の方向に動いてほしい。
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- 諏訪魔、真田聖也、征矢学vs永田裕志、関本大介、岡林裕二
- 今日のメイン。6.19両国の前哨戦の位置づけ。両国は用事でいけないこともあって、今日の後楽園に来た。諏訪魔はもうだいぶ貫禄がついたのかしらと思っていたら、それほどでもなかった。若手の雰囲気がまだある。でも、いい意味で、なので、まだ成長の余地があるんだという風に取れる。組んで半年が経った大日本の関本・岡林は息が揃ってた。岡林が先輩の関本をもっとライバルとして意識する関係なのかと思っていたのだけれど。試合後、勝利した永田が、これからの全日本は俺たちが盛り上げていきます! とマイクアピール。これに客席から拍手と声援のほうが大きかったのは、どうなのかなぁ。そこはブーイングメインで良かったような気が。殴打問題でちょっと客も弱気? あと、例のファン横断幕事件のせいなのか、試合の前半で新日のファンと全日のファンのヤジ合戦が少しだけあり、そこで永田がコーナーに下がって大日本勢と交代したのが印象的だった。やっぱり気になるよなぁ。
- 諏訪魔、真田聖也、征矢学vs永田裕志、関本大介、岡林裕二
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- グレート・ムタ、KENSO、TAJIRIvs船木誠勝、鈴木みのる、KAI
- もう、KENSOが全部もっていったと言っていい。ムタがいるのに、TAJIRIもいるのに、KENSOの異空間がこれに勝ったというのは、すごい。KENSOが後ろから船木をはがいじめにして、ムタとTAJIRIに毒霧をさそうシーンで、その後の展開を読んだ客席から「や・め・と・け!」の声が次々にあがる。で、やっぱり、船木が頭を下げて、KENSOの顔面にダブルの毒霧、其のあとなんやかやあって、もう一度ダブルの毒霧を被弾。いや、すごい。KENSOが3カウント間際で肩をあげたのに、そのまま3カウントが入ってしまい、試合後、マイクで、肩があがってたよな?負けてないよな?とアピールするKENSOに客席が大声で賛同。空気読まない伽羅を2年貫いて、結果、ここまでファンに受け入れられた。すごい。
- グレート・ムタ、KENSO、TAJIRIvs船木誠勝、鈴木みのる、KAI