119日目。なぜ今、「ハシゴ外し」なのか?

玄海原発2号機と3号機の再稼働問題で、
一旦は再稼動容認を決めた玄海町長が容認を撤回、
お手盛りの住民説明会を経済産業省と催していた九電の社長が「やらせメール」問題で辞任表明、
再稼動を働きかけていた海江田経産相も将来的な辞任を示唆と、
玄海原発をめぐる状況がこの2、3日でがらっと変わりつつあることに、
正直、驚く。
玄海町長と同じく再稼動を容認の姿勢だった佐賀県知事ツイッターを消してしまうし。
玄海原発が再稼動すれば川内原発1号機の再稼動も認めていいという賛否保留の発言をしていた鹿児島県知事は、
これで態度を明確にする時間猶予が与えられた。
一方で、
長崎知事は8/9の式典で脱原発をあいさつの中に盛り込むかどうか、
リミットが迫っている。
ストレステスト結果が出るまで、再稼動しないという結論を受けて、
脱原発に傾くか。
あいさつの中身次第で、原発をめぐる世論がさらに変化してくる。
その前には、
8/6の式典で、広島知事と、ストレステストを言い出した菅のあいさつも行われる。
自分は断固再稼動反対だとして、
早晩、玄海原発の再稼動を突破口に原発推進勢力が盛り返す可能性が高いかもしれない、
と考えていたのが、
ここまであっけなく再稼動の方向性が崩れ去っていくのは、どういう力学が働いてのことなんだろうと考えてしまう。
「やらせメール問題は」、
九電という原発運用主体のミス、
という点でクリティカルだったにしても。
玄海町長が株主の地元ゼネコンが、原発関連工事や、原発交付金を使った公共工事を請け負っているという、ずぶずぶの関係や、
海江田大臣の「安全宣言」の空虚さや、
玄海原発3号機がプルサーマルMOX燃料を使用していることのほうが、
よほど、再稼動否決の論理としては整合性が高いように思えるのに、
先週の赤旗発の「やらせメール」問題が決定打になったように見えるというのは、
それはそれで裁判官制度タウンミーティング問題に匹敵するような大事だとしても、
どうにも腑に落ちない。
原発解散総選挙を狙っていると噂される菅が、
脱原発の姿勢を一貫させておく必要があるため再稼動を認めなかった、
という筋立ても囁かれているけれど、
じゃあ最初から海江田大臣を佐賀に派遣せず、まずストレステストから順に始めておけばいい。
再稼動を前提に海江田大臣を派遣しておいて、今、ストレステストで「ハシゴ外し」をした理由は何なのか?
浜岡原発の停止要請が、横須賀基地を守りたいオバマの鶴の一声で決まったような、
そういった政権外の、外交上の力学が再度、働いたんではないかと穿った目で見てしまう。
玄海から岩国までは200km以上あるけれど。
岩国を守りたいなら、70km圏内の伊方原発をどうにかするほうが先だろう。
玄海から50kmの佐世保
外交以外の理想的な背景は、
点検中の原発を再稼動させなくても目下の電力を賄える目処がたった、
だけれど。
アメリカがシェールガスを大量に日本へ輸出することが決まった、とか。
うーん。