3日目。米子〜尾道〜向島〜因島〜三原。253.8km。
手の平と手首の痛みで6時前に起床。
こうなることは予想していたため、東京を出る前に買っておいたボルタレンを塗布。
やっぱりハンドルの振動を抑えるカスタムに手をつけるべきか。
7:30頃に宿を発ち、180号線を南下。
初日、2日目にも随所で目にした、収穫間近の稲の淡いグリーンと彼岸花の鮮やかなレッドのコントラスト。
東京にいると味わえない季節感。
こーいうのがツーリングの楽しみの一つ。
山越えというほどの標高はないものの、ダムが作れるくらいの山間をパス。朝の山間はさすがに冷えるということで、リアバッグから引っ張り出したパーカーをジャケットの下に着込む。
もともと今日は、倉敷を経由して尾道、の予定だった。
が、昨日の出雲大社詣での歩きと松江〜米子間の迷い道で(倉敷回りはちょっときついかも……)と考えなおし、最短距離を尾道まで走って余裕があれば瀬戸内の島をめぐる、という方向にチェンジ。
ルートにこのダムが入った。
とはいえ、特に興味を引くものはなく。
一応、福山市内の扱いになっている、市街からは遠く離れたうねうね山道の26号線を下る。
ツーリングまっぷるで「峡谷の道 きつい」とあった通り。
まあ、これも醍醐味。
1車線しかないのに飛ばしてくる対抗車が少なくなかったのは、減点対象。
尾道到着は12:00前。ここまで早く着けるとは思わず。
これなら島に渡って一巡りするのに十分。
尾道といえば渡し舟。
しまなみ街道を使うのは明日に回す。
駅からすぐの海沿いに幾つも乗り場があり、なんとなくフィーリングで決めた乗り場へ。
ほどなく向こう岸から船。
そうそう、こういう揚陸船っぽい船に憧れてたんですよ。
船上は、乗用車で3、4台くらい載れば満杯になりそう。
乗用車はOKだけど、125ccを超える二輪はNG、という決まりらしく、写真奥で交渉していた大型の人は最終的に引き返していった。
船が動き出し、(そういえば、いつ料金払うの?)と気づいたところで、船員のおじさんが近づいてくる。
看板に大人100円、自転車110円とあったので210円を出すと、100円を戻された。
自転車分が10円? 本当に生活の足料金なのねー。
5、6分ほどで対岸の向島に到着。
狭い島ながら、市街地の道路には信号。期待していたほどの未開さはなかった。
海岸沿いをのんびり流す。
海べりには釣り人、道にはレンタルサイクラー。あと、地元のスクーターが皆、なぜかすごい飛ばす。
この調子で隣の因島までと、因島大橋の下へ。
道路に引かれている青いラインは、これに沿って走れば、迷わず次の島に渡れるという優れもの。
狭い島といっても、それなりに分岐はあり、青いラインを見つけるとほっとした。
橋は上下に分かれ、上は自動車と125cc超のバイク、下が125以下、自転車、歩行者。
うねうねと狭い山道を登り、下の橋の出入り口に到着すると、買い物帰りらしきラフな出で立ちで歩いてくる地元の人。あの長さを歩いて渡るのか。
しかし、海面から結構な高さなのね、やっぱり……。
通行料は50円。50円分の小銭がなかったため(両替機もなし)、出入り口のところにある賽銭箱っぽい箱に100円玉をチャリーン。
……高い。
首とスロットルを握る手首をガチガチに固め、一心不乱に目の前だけ見て走る。
徒歩やチャリで渡れと言われたら、途中で足が動かなくなってるレベル。
金網の向こうには飛び出しようがないとわかっていても、高所恐怖症には無茶……。
宿をとってる尾道に戻らなきゃいけないのに、帰り、どーすんだ。
大橋のたもとにある、はっさく大福が人気という「はっさく屋」。
でも、まだ時期ではなかったということで、目当てのはナシ。
代わりに、ぶどうと甘夏の大福。
これはこれで。甘夏のすっぱさが合う。
その後、島を走ると、まだ熟れていない青いはっさくの木がそこらじゅうに。
大福で落ち着いたところで、やっぱり橋渡るのムリということで、はっさく屋のバイトの娘に橋を使わず島を離脱する方法を聞くと……三原行きのフェリーが!
到着地が尾道から15kmほど西にずれるが、背に腹は帰られないと乗り場まで行き、次の船出まで1時間ほどあることを確認。
ようやく雲も晴れ、いかにも瀬戸内な陽気に包まれながら、船出までの時間を流す。
が、島の大きさを舐めていたせいで、船出に間に合うかどうか微妙な距離まで走ってしまう。
それでも時間ギリギリで到着。券売の窓口のおばちゃんに声をかけると「車のフェリーが出るのは30分後だよ」。
確認してたのは遊覧船の時刻表……。
ようやく到着したフェリーに乗り込む。
向島に渡るのに使った船の10倍くらいの大きさ。
40分ほどの船旅。
気疲れしたせいで、ずっと絨毯の上に寝転がってすごす。
ちなみに、このフェリーにのった分と、尾道から向島に渡った分の距離は、今日の分の走行距離=253.8kmには含まず。のってる間は、タイヤ回ってないからね。
三原から尾道に引き返して宿に。
明日は四国。
しまなみ街道を使う以上、また今日のような橋を渡らざるを得ないが、渡る回数は可能な限り減らしたいということで、明日も三原からフェリーに乗り、因島大橋の回避を決める。
泊まった宿のロビーには、宇河弘樹のイラストの三次市観光パンフレット。地元愛。