コミティア117 ―― 新規に購入した主なサークルから。

  • 福田やすひろ 《歌舞伎町プロダクション
    • オフセット「まどからマドカちゃん」
      • 軒下で雨宿りしていた安アパートの1階の窓。それが突然開き、目の合った女性=マドカちゃん。一旦、閉められ、再び開くと「まどか寿司」が開店――。手すりにネタを並べて、やる気マンマン。終始テンション高く、「うまっ」と唸らせる腕前のマドカちゃんがカッコ可愛い。(P&R投稿)
  • 谷津実 《歌舞伎町プロダクション
    • コピー誌「百獣のフレディ」
  • さいとーすみか 《DA・GAAAN
    • オフセット「フロム:ガードマン」
    • コピー誌「フロム:ガードマン おまけ本」
  • te2./長谷川 《モナカ共和国》
    • コピー・合同誌「寝てる場合じゃない」
  • SABIO 《SABIO(SBO)
    • コピー誌「あいのはれつおん」
      • 不登校で本の虫の「あい」。ある真夏日、お茶の先生の祖母との約束で、むりやり学校の茶室に向かうと、暑い茶室でクセのあるたちに出迎えられ――。本を通してイメージの世界に羽ばたける主人公が、茶室に掲げられた掛け軸の文字、“滝”でそれを体験する演出がうまい。ストーリーにお茶を絡める意味合いが、暑さの演出のほかに見当たらないのは物足りなく感じた。(P&R投稿)
    • オフセット「INVITATION DIAL」
    • オフセット「だって純情反抗期」
  • インシス 《OWNEN
    • オフセット「箱の中身はなんじゃろな?」
    • オフセット「泡沫と白昼夢」
  • さとうみずか 《ジグザグゼロ
    • オフセット「テルトルハート」
    • オフセット「ちぐはぐ幽霊」
  • 沼田ぬしを 《うみうしたべた
    • コピー誌「夏と水着とウツボの死体」
    • オフセット「しんせい紀のラブソング 第1巻」
      • ゾンビモノ。この世界では「帰還者」と呼ばれ、生前と変わらない意識をもち、人を襲うわけでもない。人より弱く、隠れて暮らすゾンビ達。そんなゾンビの友人と久しぶりに再開した主人公は、あるお願いを持ちかけられ――。東日本大震災原発事故と時を同じくして発生した設定のゾンビ達が、世間からじりじりと追い込まれている作品の空気がとても息苦しく、否応無く今現在の社会との類似を想起させる。5年前の震災の年に描かれた、物語のプロローグにあたる「かくう生物のブルース」と合わせて読みたい。(P&R投稿)
    • オフセット「かくう生物のブルース 沼田ぬしを作品集」
  • 三五二 《3_5_2
    • コピー誌「terrible_triple」
    • コピー誌「袖川と姫野」
  • 大往生テロル
    • コピー誌「大往生テロル 短編漫画集」
      • 上司が言う「もう5年目でしょ?」「ちゃんと普通にやろうよ」。昇進、結婚、子どもと、普通のハードルはどんどん上昇。けれど、他人は出来てる。そのことに対するどうしようもない劣等感と怒りが、独特のデフォルメキャラで描かれ、読んでいて引き込まれる。週末、同年代の引きこもりの支援活動に精を出す主人公が、誰にも構われない自分の扱いに憤る下りに、共感したくないのに共感してしまい居心地の悪さを抱いた。(P&R投稿)
      • 空想の中で、巨大なネットめがけ落下していく主人公が、背丈より大きな網の目をすり抜けていく、「セーフティーネット」の演出が上手い。
  • 陽気婢温泉忍者R
    • オフセット「あかズキンとオオカミしょうねん」
    • オフセット「人型麻薬」
    • 下描き原稿×1
  • 小雨大豆 《ななしのや
    • オフセット「生涯探訪恋一途」
  • arce 《まるちぷるスケッチ
    • オフセット「サンカクをマルにする」
      • 目覚めると見知らぬ工場の中。工場長補佐を名乗る「Q」に、コンベアで流れてくる三角形の輪っかを丸くするノルマを課された「U」。始めは「意味がまったく分からない」と反抗していたが、次第に慣れて補佐にも出来を褒められ、「生きがいみたいなもの」と答えるまでに。そんなある日、これまで作ってきた丸を三角に戻すように言われて――。生真面目な「U」の文句をすかしつつ、ある時はおだて、ノルマを増やして成果を出させる「Q」の口八丁が不気味なほどリアル。本人のやる気や熱意が会社とwinwinの関係で、一見、何の問題もなさそうに思えて、でもやっぱり不気味という……。読み終わって、なんだかしてやられた感のある作品。ぽわぽわした絵柄はストーリーとのギャップを掻き立て、全体の不穏さを高めてる。(P&R投稿を一部改稿)
  • kazeto 《HOLLOWPLUS
    • オフセット「なつはなこれくしょんみに 〜夏の花ミニイラスト集〜」
  • 大嶋宏和 《ORDINARY FUNERAL
    • オフセット「桂浜へ」
      • 死ぬ気で目指したわけではなく、なので心底の挫折をしたわけでもない元マンガ家志望の主人公が、帰郷した高知の片隅で久々に集まったかつての仲間たちと一時のバカ騒ぎに興じる。退屈で締まりのない日々をうとましく思いながら、やっぱりそこでもがくわけでもなく、また似たような朝を迎える。読み手に共感を覚えさせずにおかない、その点で主題と真逆の非凡さを感じた。(P&R投稿を一部改稿)
    • オフセット「SHITTY GIRL」
  • 再田ニカ 《地獄で待つ
    • オフセット「ぱのにか学習帳」