SPIRIT(監督:ロニー・ユー)

新宿ミラノ座で20:45の回。



うん、まぁ、なんだね、1000席以上あるような映画館で観るほどの映画じゃあなかったね。


例えば格闘シーンであるカットがあるとするよね。相手の剣を宙返りしてかわしながら片手で着地して剣を持ったもう片方の手で相手の足元を薙ぎ、相手もジャンプしてそれをかわす、といったような。そこで着地する瞬間と薙ぐ瞬間の間でカットの「つぎはぎ」があるんだわ。その「つぎはぎ」がもうしょっちゅうで、落ちついて観てられない。つーか、きちんと流れるようなワンカットに撮り直してくれよ、仮にもアクションスターなら。


一番期待していた、ジェットリーのカンフー対中村獅堂の柔術的な格闘技(映画中では何とか流と名乗っていたが忘れた)は、史実に基づいてるのかどうか知らないが、リーが毒を盛られてまったく満足な戦いにならず。その前の三節棍対日本刀のやつもね、獅堂は日本刀を鉄パイプみたいに扱って三節棍とガンガン打ち合わせて、そりゃちょっと違うんじゃないのとね。


じゃあ、戦いが行われた年が1910年という設定だったので、翌年の辛亥革命への引きや孫文の登場もあるのかしらと期待したのに、そのあたり時代考証はほとんど触れられずで。この頃孫文はまだ東京にいたのかしら。そのあたり詳しくないのだけれど。


天津の街にリーが帰ってくるまでの話は正直なところ退屈で、でも上映時間の7割りくらいを占めていて、田舎の村に失意のリーが落ちのびてくるところから映画を始めて、天津やんちゃ時代はばっさりきった上でところどころに回想シーンでにおわす程度に入れておいて、異種格闘技戦のシーンを増やしたほうが観応えがあったはずだよ。夢枕獏あたりを時代考証アドバイザーにつけて、1910年に中国をうろついてた格闘家を手当たりしだいフィクション織り交ぜて総登場させれば良かったのに、と半分本気に思った次第。「キマイラ」からゲストで馬垣勘九郎を連れてくるとかな! もう感想から脱線してるけどな!





それから、エンドロールで流れたエンディングを歌ってたハイアンドマイティカラーという人たちにはアニメ関連で何故か聞き覚えがあるような気がするけれど、まぁそのうち気づくだろう、ということでまた明日。



参考:公式サイト