ロシア、世界初の浮き原発の建設開始(ノーボスチ)

 http://www.rian-japan.com/news/details.php?p=307&more=1

セルゲイ・オボゾフは、「信頼性では、この浮き原発は、世界で安全で信頼性のある見本と評価されているカラシニコフ自動小銃にも劣らないとしている」と確信している。

このロシアの技術的革新は外国の注目を集めている。すでにインドネシア、マレ−シア、中国などが関心を持っている。セヴェロドヴィンスクに建設される原子力発電所は、実際に稼働もするが、同時に、稼働する状態を将来のユーザーが見学できるように展示用モデルとしての機能も持たせる。

設計者は「プロジェクトの布石となった思想や技術原理はロシアの北方海路で稼働した核設備搭載の非軍事用砕氷船の長年の経験を活かして生み出せれたが、このことはこの発電所の素晴らしい特徴になっている」と語っている。

それにも拘わらず、ロシアは、浮き発電所が生産する商品である電力エネルギーと熱、淡水だけを売るつもりだ。だから、核技術そのものが他者の手に拡散するという問題は一切起きない。

発電所の稼働サイクルは完全にロシアの核産業のインフラに保証されており、またロシアの当直体制で稼動する(つまり危険な拡散は起こりようがない)。原子炉への核燃料の補給は、40年稼働用の資源が常に確保されるように、3年に1回の頻度で行なわれる。「発電船」はまた、全面修理のため12年ごとに祖国で全面修理が行なわれる。

 最近すっかりノーボスチにやられている。すごい宣伝記事。



 原子力砕氷船についてはこちらなどが参考になるか。一応、20年以上の歴史があるようだ。
 第1号は、バルト海と運河で繋がる白海に浮かべられる。どれだけ波穏やかな内海かは知らないが、インドネシアやマレ−シアや中国まで浮島を引っ張っていくとしたら、地球を半周はする。それとも現地設営? どのみち12年ごとに全面修理のために偉大なる祖国ロシアまでけん引していく必要があるようだが。
 記事でも強調されている節があるが、軍事転用を米に懸念させずに、原子力技術を商売にしたいということだろう。浮島にすることで、「技術の供与」ではなく「現物の貸与」に切り替えられる。核不拡散条約だったりへの抵触をクリアできるか。接岸する浮島、という形をとれば、ある種の治外法権を獲得できそう。仮に事故や事件が起きたとしても、いろいろな不都合から逃れられたり。


 ロシア側に運営責任=権限やもろもろの権利を渡したまま核メリットだけを享受する……、っていろいろ不安を掻き立てるプロジェクトだなぁ。在日米軍なみに。