ドキュメンタリー・ドリーム・ショー 山形in東京2006

 

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 隔年開催で本祭のない今年は、東京の2カ所の映画館で、9-10月の間、上映中。9月はポレポレ東中野、10月は水道橋のアテネフランセ文化センターで。
 今日は、ポレポレ東中野で何本かを見ようと思っていたのだが、洗濯やら掃除やら本の整理やらでうだうだして、横になったりしていたら何時の間にか夜に。どうしても見ておいたほうが良さそうなものを予め、ピックアップしておく。






映画史に新たな古典を刻む、必見の超大作。日本占領時から東北部瀋陽にある重工業地帯、鉄西区。いま巨大な国営事業が傾き倒れていく姿を「工場」「街」「鉄路」の三部構成で描き出す。廃虚となっていく工場や街、変化を余儀なくされる人々、刻々と過ぎゆく時間。監督はカメラ1台と体ひとつで長時間をかけて記録し、中国社会が抱える現実を浮き彫りにした。

三峡ダムの建設で歴史の町が水没する。移転に伴う補償を求める庶民の強欲と行政の混乱、キリスト教会の裏帳簿に建材の転売取引。電気水道が止められた灼熱の廃墟に留まり続ける人々。喧騒に満ちた生活のどこにでもひっそり遍在するカメラと見事な編集が世界を驚愕させた、ダイレクトシネマの真骨頂。

国連決議181号で分割線に定められたものの、実現しなかった境界線を土ぼこりとともに辿るザ・ロード・ムービー。パレスティナイスラエル出身の監督2人が、道中すれ違う人々、それぞれの地の住人・風景と対話し、今あるパレスティナイスラエルの現象の断片を記録し、走り、そして立ち止まる。

小川プロの「三里塚」シリーズ第1作。この作品を契機に小川プロの“定点観測”による撮影が確立されていく。カメラは機動隊に対して武装を決断する青年行動隊を中心に闘争の内部へと入り込んでいく。小川は「全ショットを農民の列中から、その視座から撮り、権力側を撮るにも、正面から、それとの対面で、すべてを撮った」と語っている。

文化大革命について中国共産党が声明を出したのは8月8日です。私たちが撮影のために入国したのがちょうど8月8日でした」(時枝) 国交正常化前の中国、激しく揺れ動く文化大革命の嵐の中で半年に及ぶ、長期ロケで完成された作品。文化大革命初期の貴重な記録。

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上海再開発に伴い、まもなく取り壊されるお屋敷で、舶来のレモンティーを淹れる一人の初老男。激動の歴史に翻弄されまいと、守り続けてきた家と孤独なマイスタイル。ところが北京からやってきた若い女性の間借り人(監督)が彼の空間に踏み込んでくる…。