アフタヌーン2月号 + 四季賞ポータブル2007秋のコンテスト
四季大賞「魔女が飛んだり飛ばなかったり」(太田モアレ)
まず一言。
プロレスLOVE。*1
作者は2007春のコンテストで「囚われクローン」が四季賞を受賞、続編は同人で「その後のクローン」(飛んだ後ちょっと上にスクロールplease)として発表されてる。
この「魔女〜」もCOMITIAが初出。8月のティアで売ってたけど訪ねた時は完売しちゃってたので、やっとこうやって読めた。
「この世界には/十三人の魔女が居る」。
「その後のクローン」とも共通するテーマが貫く。
こちらから積極的に関わろうとしなければそれはそれで何事もなく生きていける大方の人間にとって埒外な事象(クローン服役制度や人類を守ってくれる魔女)に向き合う機会を得た主人公たち。
事象とすれちがったりすぐ横を歩いて生きてきた家族や周囲の人間の言葉は様々だが、遠巻きに眺め直接に触れることはするべきでないという態度ばかり。
「少なく見積もっても/もう千年は/生きてるんだよね」
「いい事よりも/嫌な事の方が/多いはずなのに」
「何であんなに/無邪気に/見えるんだろう?」
「その後〜」の主人公は物語の最後に祖父のクローンの前で涙を流し決意を新たにすることができたが、「魔女〜」の主人公は、自分が魔女のナツオ様に興味を持った動機を理解する前に魔女たちが彗星に向かって飛んでいってしまったため、星を見上げて涙を流すのはだいぶ先の話になってしまう。
一方、一度だけつくった子供を「魔女狩り」時代に火刑されたことのあるナツオ様は、当時の心境を「あちゃー」のポーズで表しながら、魔女は涙を流すことができないんだ、とつぶやく。
いつの日かきっと、涙を流したり流さなかったり。
もうちょっといっしょにいられる時間があれば。
そんなふうに思わせる過ぎ行く日々を、とぼけた日常が軽妙に埋める。
もう一言。
オー。*2
池上遼一特別賞「星のやうにさよなら」(志ろう)
来年3月の「ぱふ」の年間ベスト10で、新人ランキングに入っておかしくなさそう。
「ぱふ」系の読者ってアフタ読んでるのかなぁ。
自分は、さすがにベストキャラとかベストチームとかまぁ、どうでもいいんだけど、女子目線から見た旬な新人は毎年、非常に参考にさせてもらっているので。
♯
アフタ221P四季賞告知に名前のある、冬コン一次選考通過の「ハッピー・バアスデイ」の作者の河合伸哉が、「モンキーハウスへようこそ」の人なのかどうか気になる。アフタで読んだの14年前だよ。
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