コミティア106

「つぶすしかねえな」(小坂俊史)

  • 雨。まごうことなき雨。過ぎ去った台風とやってくる予定の台風の谷間、斜め殴りの雨。ばらつく程度の小雨は何度か記憶にあるものの、飛んで避けたい水溜りがあちこちにできるほどの雨は、少なくとも過去10年以内のティアでは記憶にないかなぁ。それでも温度が下がった分、ジメジメ蒸し暑いというほどではなく。会場に入ったら、適当なタイミングでパージする予定だったビニ傘は、結局最期まで持ち歩いてしまった。
  • 開始後、早速足を向けたサークルはどこも、新刊落ちました→代わりにペーパーです、なところばかりで、30分くらいペーパーばかり集めてるなんだか痛い人になっていた。100回記念のペーパーラリーでもここまで集めなかったよ。そんなふうに集めてしまったペーパーは、中でも、《フェノメノーム》の過去作紹介+新作予告カラーペーパーの作りこみがすごく、このまま額に入れて飾りたいくらいの出来具合だった。
  • 《えのころ工房》で、この時期の恒例になってる来年のカレンダーを入手したあと、サークル参加通算50回記念として企画されてた50円クジを引いたところ、4等のカレンダーが当たった。折り目無し版の。
  • 《ミエルレコード》というサークルで、手回しオルゴール用のパンチ穴の空いた譜面の表面に、縦読み式のマンガが描いてあるという出物。なかなか面白そうだったので、用意されてた8種類の譜面=作家のうち、唯一知ってた《すこやかペンギン》のをオルゴールとセットで。譜面だけでもいいかな?ではあったのだけれど、譜面のみでも1枚780円、せっかくなので3,580円のセットを選んだ。いろいろ聞いてみると、コーティングっぽい加工を施した特別な紙を使っているため、お高くなる模様。ただ、今見ると、バラした譜面をひとつなぎにつなげるのための“のりしろ”的な部分がなかった。これ、どうやってつなげるんだろう……。
    • セットには、白紙の譜面とホッチキスのような穴空け専用パンチが付属。自分で好きな譜面を起こせるという説明アリ。五線譜形式なみたいなので、やろうと思えば出来そう。
  • 《VM500》は今回も来なかった。なんなんだろうか。名前出してダミーサークルする理由もないだろうし。
  • 前回、結局お休みかと思ってた《スター書房》。そんなことはなく、ちゃんと参加してたと。前回の新刊を2ヶ月遅れでGET。今回は新刊の代わりにちょいエロいペーパー。ここの絵柄でこのエロは……エロい。
  • 《宵待ち坂》のくらっぺ=倉金篤史だと今日、気づいた。「PiNKS」、リュウで毎号読んでて、単行本も買ってたのに。
  • いつも寄るサークルで、母数の大きなジャンル=島だと、目当てのサークルに向かう途中で見てもらえる確率が高まるとか、そういった話。近年メキメキとシェアを広げ、一大勢力になったイラスト島に対して、マンガをやりつつイラストっぽさやアートっぽさを取り入れているサークルの人は、「ウチとは別世界の人たちの集まり」みたいに捉えているようないないような、そんなところがあったりなかったりなんだろうか、などと(歯切れ悪いな……)。
  • (今日はよくお菓子がオマケでついてくる日だなぁ)と思いつつ、ケータイの時計で開場から2時間くらい経過したのを確認したところで(……あぁ、カボチャオバケだからか)と気づいた。
  • 山田養蜂場》の新刊にやられた感。壮大でファンタジーで華麗でドラマティックでしんみりさせる物語のクライマックスを、世俗・下世話・物欲の極み=貴金属買い取り店がぶち壊し。こーいった逆撫でモノは大好きdeath。
  • ラクで隔月連載されていた「前から2両目」のまとめ本を《s/h》で。結構好きだったので、思わぬ収穫。
  • 1年ほど前、小学館の第71回新人コミック大賞を「ニライカナイ」(須藤佑実名義)で受賞していた《うみのねこ》で、来月の月刊!スピリッツから連載開始の告知。同人はやっぱりお休みになるようで、うれしいけどさびしい。ティアではありがちな話だけども、結構ショックが大きいことに気づく。ここ数年のティアは、確実に《うみのねこ》の新刊のワクワクが大きな比重を占めてた。
    • 買ったり買わなかったりだった月スピの定期買いは決定。
  • あと最近、新創刊されたゴーゴーバンチで連載がスタートした「ちいさなぼくの小鳥ちゃん」のyoriという人が、《スリーピース》 の庭(niwa)にそっくりなんだけど、やっぱりよくよく見ると違うらしいという、すごいくやもやするケースだった。ベッドに迎え入れてキスの寸前に「……違う、あなたダレなの!?」と突き飛ばすような。マンガは同人だけで商業はほぼ100%イラスト仕事だったはず。
  • 去年の11月のティアに続いて、1年振りに開催された海外マンガフェスタ。西ホールだった去年(http://d.hatena.ne.jp/bullet/20121118#p1)は、ホール外のガレリア的な空間での開催だったところ、東ホールの今年は、ホール内の一角を使用。向かい合わせに配置されたいつものサークルと、微妙に空気の異なる島でした。
    • 一通り回り終えた後にやっていた、松本大洋とバンド・デ・シネ作家の人の対談を、海外ブースを回りながら途切れ途切れに聞く。モーニングのパリダカ紹介マンガ企画で渡仏したとき、街の本屋で初めてバンド・デ・シネを見て衝撃を受けたという松本のような出会い方は、ネットが(一般的で)なかった90年代ならではだなぁとか、だからこそ衝撃の昇華のされ方が「ゴーゴーモンスター」という作品の形になるほどになったのかなぁ、などと。今年はコスプレのおねーさんいないのと残念がっていたら、マイクをもったテレビカメラマン付きのおねーさんに遭遇。赤十字のようなマークの入った厚手の服で、うーん何のキャラクターだろうと、去年と同じ感想。
  • 出張マンガ編集部。オンライン版のみの展開だったマッグガーデンのEDENから、来年1月に新創刊の告知ペーパー。BLADE、AVARUSに続く3誌目。現在のオンライン版の作家を中心に青木俊直、壱号、板倉梓、たら子、などの名前があって、そこはかとないティアっぽさが。個人的には、名前のあったうち、宮内由香小路啓之に期待。
    • まんがライフ系のブースで大賞3万円(5万円だったか?)即日発表という触れ込みだった4コママンガ賞は、どれもよく知らないサークルさんだったので、結果を覚えられませんでした。
  • 購入総額は3万2,580円。オルゴールとかの分で底上げ。
  • 良かった新規開拓サークルは《岬》《よこ》《PLASTIC CHAMBER》《いろはす》《AMICA!》《ファンタジーソング》《Deoxy》《月蒙朧》《江月堂》など。
    • イラスト系の開拓がいつもより進んだ感じ。入手物のポストカード、イラストボード、クリアファイルなんかは、たいていPIXIVのほうに元絵は上がっているのだけれど、質感や色味が微妙にちがったり、何より現物として目の前にあるというのはモニターと又、違う。でもさすがにあるサークルで入手した1枚1,000円のイラストカードは1分近く机の前で悩んだ。アート系イラストサークルの強気な値付けにいつも泣かされる。……しかも今見たら、サークル名もURLも無いしペーパーも名刺もついて無かったよ!!

CIRCLE NAME UNKNOWN

      • そういうわけで情報求ム。 募集終了。《NONUMBERLESS》というサークルの「ザマザーズラン」というポスターでした。
    • あと《いろはす》は、前に《全角カナコ》で活動されてた古名奏子(コナカナコ)の人だとは思う、万全の確証はないけど。前よりちょっとペンのタッチがふっくら柔らかになった印象です。