前々から「昔は悪かったんよ〜」という過去を話の端々に感じていた行き着けの床屋のマスター。今日の髪きりでも合間にやんちゃ話。
10キロほど離れた繁華街の中学に5人で乗り込んでいって1日目は50人がかりでボコボコ、次の日の2日目もボコボコ、3日目はボコボコにされた筋肉が痛くて、歩いて10キロは無理ということで、近場の国道を通りがかった3トントラックをヒッチハイクして、荷台でさらにボコボコ揺られながら、目的の中学へ。でも、3日目はいくら校庭で悪態をついても、1-2日目でわらわらとわいてきた50人がちっとも出てこないので、「勝った!」と結論づけて地元の中学へ凱旋。それから、繁華街に地元の中学の生徒が遊びに行ってもカツアゲとかされることはなくなったそうな。……3日目、もしかして日曜だったんじゃないかなぁ?
一方、本当に「ああ、この人はちょっと頭のネジの締めが違う」と思ったのは、自分で店を開いて結婚もした後。店の上階の十畳ほどの部屋に地元の不良(親戚縁者でも何でもない赤の他人)がよく集まるようになって、当時出回りはじめたばかりの裏ビデオの鑑賞会を女子の不良も交えてやってたとか、暴走族を組んでた不良のバイクを勝手に二束三文で売り払って学校も退学させて仕事先をあっせんしてやったとか。手に職つけた後のほうがやりたい放題?
今はフツーのおじぃさんなのにね。人って変わる。



そんな日も暮れて、明日は94回目。93回目を振り返る。

コミティア93 ―― 新規に購入した主なサークルから。

  • 反=アニメ批評
    • プリンタ本「思想恥部シリーズ 創刊準備号 エロ年代の想像力」
      • 主に90年代後半〜2000年代に発売された18禁アニメの評論集。「(「催眠学園」の論評で)メタレベルの母性的承認によって……」とか云々する記述の連続に「うるせーよ(笑」と突っ込みつつ、ニヤニヤしながら読んだ。
  • ウチヤマユージ 《キツネツカ
    • オフセット「Honeycome.ware 下」
    • オフセット「Honeycome.ware 上」
      • 1日だけ時間のずれた空間がつなぐ、小さな恋の芽の話。恥ずかしくていい。主人公の一人の受験生の少年は、新幹線の中でのキスのお陰で、きっと浪人してそう。
    • オフセット「ちりぬるを。」
  • ぽんたろう 《全日本鬼嫁愛好会
    • プリンタ本「おによめ通信 第一号」
      • 鬼嫁ネタってことらしいんだけど、このプリンタ本を読む限りでは、嫁になってくれたら普通にうれしいクラスだぞ。
  • 縞野やえ 《しましまの
    • オフセット「諦めるのはまだ早い」
      • 両親とその友達グループと一緒にやってきた海水浴で、海に入りたくないとぐずり放題の3歳男児。細かい我がまま(手の平に2、3粒残った砂をおもちゃの水鉄砲で親の友達に流させるとか)の描写に読んでるこっちもそろそろ本気でいらつきはじめたころ、もう一人の主人公でいっしょにきていたスランプの作家が、愚痴ばかりの自分もまさに3歳男児そっくり!とはっと気づき、両親に3歳男児を抱えさせ海に向かって走り出す。無理やりの海に泣き喚く3歳男児。たった一度の経験で、その子がすぐに変われるわけではないけれど、それでもどうしようもないように思えることだって「諦めるのはまだ早い」。
    • オフセット「ガールは待ったなし」
    • オフセット「そんな風に夏は」
      • 3作品ともに、うまく言えないけれど、通り過ぎようとして後ろの襟をつままれるような、見過ごしにできない読後感がある。読者を直接に勇気付けてくれるんじゃなくて、私はこうやってみるけどあなたはどう?という呼びかけがあるみたい。
  • 七座菜々音 《しろかっこう
    • オフセット「POSTER GIRL'S LIFE +material+」
    • 無料オフセット「おまけ」
  • 凪庵路地裏萬亭
    • オフセット「虹色ドーナツ 1」
      • キャッキャウププな本(後ろ向きで口を押さえて肩をひくつかせながら)。
  • 加画都Z-FRONT
    • オフセット「ALICE the fifth アリスともう1人のアリス」
  • nishi 《itnome
    • プリンタ本「ササヤマさんのパン」
  • オカヤイヅミ 《hasumukai
    • コピー誌「ワンタン/しょうががゆ」
  • くらっぺ 《宵待ち坂》、たろちん 《おちんちんbelong
    • プリンタ本・合同誌「愛の本」
      • テーマは「bitch」と「幽霊」。前者が童貞気質にビンビン響く。響きすぎ。
  • 宣教師ゴンドルフ+るくれしお 《ガラスの家
    • オフセット「CRYSTAL ORE Vol.01」
  • きぬてん 《きぬてソ》、H軟膏 《きぬてソ
    • オフセット・合同誌「SuuPii Vol.2 valloon(ばるーん)」
      • きぬてんのイラストが最近、すごい好き。
  • 梓(あずさ) 《日和魚(ひよりな)》
    • プリンタ本「カコス・ポトス 話0.5」
      • 短いページ数の中で、よくキャラクター同士が絡んでいて読ませるのに、キャラクターの表情が乏しいのが惜しい(もともと感情の起伏が乏しいキャラならともかく、よく表に出てくる方なのでなおさら)。
  • まつざき雄嵩、藤秋ほか 《貧乏長屋 × systemX》
    • オフセット・合同誌「隣の席の一度も喋ったことない図書委員の子を命がけでプールに誘ってみる本。」
  • モロ 《mororo
    • コピー誌「役立たず君とセンパイ」

コミティア93 ―― よく購入している主なサークルから。

  • ろくろーぶな 《滑空できるよ
    • 無料コピー誌「くろぎつね その2」
    • オフセット「縁側のでゅらはん 2」
    • オフセット「縁側のでゅらはん 1」
  • クサダ 《JENNY HANNIBER ジェニーハニバー
    • コピー誌「メガネトシラス」
      • 部室棟でひと時のひそかな逢瀬のつもりが、実は彼氏持ちだったシラス。悔しさをかみ締めるメガネさんに「また来てよ」と声をかけるシラスに、ちょっとだけ救われて、でも切ない。
      • いつも誰かが居る夜の部室棟、というシチュエーションは好き。けど、実際には案外ありそうでなく、あるところにだけあったりする。国立の大学の部室棟は、年中、真夜中でも煌々として、誰かいつも騒いでるイメージがある。私立は警備員につまみ出される。国立は警備員を雇う金がないんだろう。
  • yazzz 《yzy
    • オフセット「海底ろう月 弐 平和 ヘイワノクニ」
  • ネユキレイ 《メイの天使
    • コピー誌「PIGMA SCRAP Vol.2」
    • オフセット「brand-new Optique-Girl (she is “optique-girl”)」
  • Euせるりあん☆ぶるー
    • オフセット「fashionsnap THE MOST FAVORITE」
      • 街角ファッションの1シーンを切り取って。銀髪短髪の階段を下ってる娘さんが可愛い。
  • 木尾慎二 《Second Wind
    • コピー誌「smoking」
  • 青梅松竹 《ばんぶーぱいん
    • コピー誌「Hello,Again」
      • 久々の短編マンガ。ある夏の日の帰郷でもらった前向きな気持ち。
  • 杉乃 《eggoil
    • オフセット「Leveler10 歯車を抱いて」
      • レベラーシリーズ最終話。
  • ひでまツ 《昏い森の奥底で
    • オフセット「幻妖捜魔録 1-1 彷徨える者たちの邂逅」
    • オフセット「黒妖精の話」
  • とんぷ 《黒電話
    • コピー誌「俺の部屋にはウサギが居る ウサギ、スパイカメラになるの巻」
  • もぐこん 《Mogravity装置
    • オフセット「最後の交信」
      • 畳みの目やタイル絵柄のパンティブラなどの過剰ディティールで攻める、シチュエーションコメディ的短編。4ページ2コマ目、扇風機のガード(羽の前後の格子状のやつ)の向こうに動かない扇風機を睨む少女の顔があって、このコマをわざわざ描こうと思うほどたまらない暑さの夏だったのだなと、11/13の暖房を入れた部屋で懐かしんだ。あと、Mogravity装置のマンガで胸の谷間に目がいきっぱなしになる日がくるとは思わなかった。
    • オフセット・合同誌「きょうちくとう 2」
    • オフセット・合同誌「きょうちくとう」
  • こう1 《はしくれ工房
    • オフセット「トキメ・メギストス」
      • 満員の中央線で突然、不思議アンドロイドに絡まれた小塚井百万石(33)の(面倒はごめんです)(やばい遅刻だよコレ……)という起伏に乏しい内面感情に、読んでてすごいリンクした。後半で、でもやっぱりうれしかったんだと「トキメ」いた小塚井の爆発にはさらにリンクした。
  • 西つるみ 《アフターゼロ
    • コピー誌「東さんちのこたん」
      • 兄妹の二人暮らしの家に魔法少女がやってきた! でも、変身前の姿はハンサム男。魔法少女姿を強制する兄と、ハンサムバージョンが気になる妹。続きも気になる。
  • 山田牛午 《魚械類
    • オフセット「call me [sluger]. 6.75 HOW-TO BOOK SERIES」
      • なめくじの飼い方本。死期が近づくと黒くなるとか、ビールとネコのウンコが好物で銅イオン(10円玉とか)が嫌いとか、粘液に潜んでいる寄生虫のこととか、いろいろとためになるけど飼いたくは……交尾は生で見たい。雌雄同体だからふたなりSEX。
  • 耳式 《耳式
    • プリンタ本「Costa-rica blue」
  • 星落とし 《芋工房
    • コピー誌「おはし占い」
  • いもくま 《熊の有頂天》
    • 無料コピー誌「夏休みの余り物」
      • 「あんたとはもうやっとれんわ!」って突っ込まれた後、本当に音信不通になられてしまうタイプのダメキャラオンパレードな4コマ。逆撫でギャグが好きな人に。
  • 三島 《つゆくさ
    • コピー誌「リハビリテーション
      • 遠野さんの妹を想う気持ちに、心があったかくなりますね。
    • コピー誌「新生物 ブランヴィリヲン」
  • 満 《meta.c
    • オフセット「missing Link5 BIG3
      • 「私らに/ああいうの/ /ないな」。なかったなぁ。つかみかけたけど、てばなしちゃったなぁ。今はあるつもりだけどなぁ、ソフトボールチームの娘たちの予選負けって現実と似たようなもんかもなぁ。また自分語りか!
  • 川津典昭 《空飛ぶ河童》
    • オフセット「おさななじみのありす childhood friend Alice」
      • 人気アニメ“ストキュア”のコスプレで、街を行く人に「お手伝いしましょうか?」と声をかけて引かれることを繰り返すありす。ある日、声をかけた相手が、何年も会ってなかった幼なじみの少年で――。
      • ありすがあまり可愛くないのがポイント(顔は、ロングの鬘をつけた有野課長っぽい)。ただ、その、あまり可愛くないように見えるのは、オドオドが表情や仕草に表れているため、という描かれ方で、少年の言葉に少しだけ自信をつけた時の顔は本当は可愛く……そんなに変わらないかな。あ、でも、好みです。
  • ジョン・テンダ 《にこらてすら
    • オフセット「おおむね、プロレスの味方です」
      • 隠れプロレスファンのOLの日常を描く、沸点低めギャグ(ギャグっていうんでもないかな……)。この作家は、どんなにドラマティックな題材も日常の中に落とし込んでしまう「ああ、あるかも」変換能力が途轍もないと思う。でも、読書会アンケート(http://www.comitia.co.jp/history/94pr.html)で7票(同率2位)も入ってたことにはさすがに驚いた。読書会常連の中にそんなにネクロブッチャーファンがいるのか。「プロレス愛があふれ出していてニヤニヤしながら読み進めて行ったらまさかのラブコメ展開。そして…(笑)。プロレスLOVE!(埼玉県・椎名かじん)」「いや私はプロレス好きじゃないのだけれど。コブラツイストの下りとかが好き。(東京都・白石薬子)」「友美の妄想プロレスシーンが笑える。また懐かしのレスラーが登場し、プロレスに詳しくなくてもノスタルジーに浸れる。「やる前に負けることを考える馬鹿いるかよ!!」「時は来た。それだけだ。」(印象的なセリフ)(東京都・無抵抗制御)」。《にこらてすら》、思わぬタイミングでブレイクの兆し。
  • 成松幸世 《みそ煮
    • オフセット「みいちゃんの不思議なポッケ」
    • コピー誌「202号室のユウレイ」
  • 柳田人徳 《めこ
    • オフセット「クリア後の世界 (上)」
  • 裏美道SIDE 《ひとりレギオン
    • コピー誌「山崎さんちの短い希望」
      • 頬を腫らしてタバコを買いにくる少女を「虐待だ!」と保護したコンビニ店員の青年。裏の事務所で通報しようとした青年に「おせっかいはいらないから」と言い、服を脱ぎだして――。
      • こんなフェラをされてみたい(ストレート過ぎ)。
  • SF研究会
    • オフセット・合同誌「ナナフシ」
      • 派手な看護婦の“釘バット人生”が面白かった。おもしろいったらオモシロイ。語りにくい。ストーリーを直接には駆動させない出来事が展開のそこここで起きる流れは、「パルプフィクション」を思い出す。それだけじゃ一面的なので、もっと語ったほうがいい。
  • 器械 《秋田モルグ
    • オフセット「Under,Within」
      • いつになく真面目な路線。フェチズム>ストーリーという力関係が強めだった従来の作品とは、力関係を入れ替えてきた。この本では、皮膚の下の異世界というフェチズムを、皮膚の外の人間界(多脚だったりノコギリ標準装備とかじゃない!)が、生き残るためのストーリーを軸に迎え撃つ。これまでと別のファンが付いてきそう。
  • 砂虫隼 《乱痴気事虫所》
    • オフセット「もぐもぐ 単」
      • レンコンやオクラを使った蒸し料理のパートを読んで、蒸すのは面倒だけどむしょうにレンコンとオクラが食いたくなって、ほかにシイタケとにんじんとたまねぎと黄色いピーマンで野菜カレーをつくって食べました。オクラは半分をみじん切り、残りをざく切りで。そうしたらオクラの粘り気でトロミが100倍増しくらいになりました。水木しげるが南方従軍記録マンガで描いてた、便所穴に突っ込んだ硬い木のヘラが折れた話を思い出しました。残さずおいしくいただきました。
  • SIN1 《Fine Trick
    • プリンタ本「アゲハの観察」
      • 巨大芋虫がマスコット的に出てくるといえば、マジックスター学院とかそうでしたね。あっちはしゃべらなかったけど。
  • HEY 《サークル丙
    • 無料コピー誌「ブルーベルシスターズのハッピーハロウィン」
      • 貴重な小鉄の半ケツあり。割箸はいうにおよばず、ドラムセットのスティックくらいまでなら折れそう。
  • 柿麻呂 《gop
    • プリンタ本「AGOP.11 ナツノホタル」
      • サークルの看板娘、ほたる嬢のちっしり(ちいさい尻の意)がまぶしい夏のある日のイラスト集。
  • 金太郎、草吉 《えのころ工房
    • オフセット「えのころ漫画館八号館 えのころ村は雨の中」
      • 長編シリーズ「えのころ漫画館」としては、3年ぶりの新刊。大雨で地下水路と海がつながったため、水路をさかのぼって村まで花見にやってきたイルカのベルタン。けれど、水路が土砂でふさがってしまい、海に帰れなくなったベルを、ネコたちが海まで運ぶ大作戦を考える。大雨があがって、どんどん水が引いていき、ベルが取り残されたちいさな池の形が、怪獣の足型の形をしているといったお遊びも(それとも花びらの形?)。
    • 無料プリンタ本「えのころだより 37」
  • 黒谷知也 《クロヤ
    • コピー誌「楽園」
    • コピー誌「理系! 黒柳ちゃん」
  • 山平トカゲ 《連続トカゲパンチ
    • オフセット「外大陸の冒険者 冒険の前に」
      • 警戒心の強いラルチェと、お人よしのクーナ。知っている人の誰もいない冒険者の街で、悪い人に気をつけなきゃとがんばろうとするラルチェは、誰ともすぐに打ち解けるクーナに「警戒心がなさ過ぎるよ!」ときつくあたって――。
      • どちらかというと、お人よしのクーナの素直さのほうに好感を持ったせいもあってか、ラルチェの人あたりのきつさに「そこまでギスギスしなくとも……」と感じることが多かった。ラルチェが過去に手ひどく騙されたり裏切られたりしたエピソードなんかを1-2ページくらい挿入したりしてくれると、入っていきやすかったかも(既刊でそのあたりが触れられてたのかもしれないけど)。騙し騙されが当たり前の冒険者の世界じゃ、本当は警戒してし過ぎることはないんだろうけど、雰囲気の優しい絵柄だから、みんな人間が出来てる人に見えがちなせいもあるかも。
  • はら 《ポンポーグラー
    • コピー誌「スタートライン 5ft8in」
    • おまけCD-ROM「はら 落書きCG集3」
  • 梅木泰祐 《雲形発着場
    • 無料コピー誌「クラウディア航行記」
      • 「クラウディア旅行記」の番外編。