「自分の顔が許せない!」中村うさぎ、石井政之 (平凡社新書)isbn:4582852351

ライトノベル作家、ブランド浪費家で「美容整形の女王」中村氏と、先天性の要因で顔や体に傷を抱える人々の悩みを問い続けている自身も「顔にアザのあるジャーナリスト」石井氏の対談本。周囲の人間や世間からの「ブス」「ブサイク」という目に対抗する人の、内面の葛藤、克服しようとしてしまう心の背景を、非常に本音トークで論じている。電車の中の時間だけで一気に読めた。

いろいろと、思わせられる個所があり過ぎるので、随時感想を追加していくと思うけど、最初に一つだけ。

石井
(中略)だから僕は本を読む時に、いつも気になるのは著者の肉体なんですよ。中村さんもそうかもしれないけど、こいつ、どんな身体しているんだろうなといつも思うわけです。あと、登場人物の肉体の描写。どういう肉体の持ち主として描くか。やせ細ったつまらない表現をしている著者というのは、読者と自分との肉体が同じだとい大前提で書いているわけです。
中村
おもしろいな。そうですね。

この後、故ジャイアント馬場のでかさと人気の関係とか、林真理子の文壇における業績が「でもブスだし」の一言で一蹴される悲しさなんかが会話に出てくるけど、一般的な批評行為においては切り離して考えられるべきとされてる「作品・業績の評価」と「作者・人物の人間性(=外見)」を、揶揄や単なる悪口に貶めずに、結びつけてどうにか論じられないか。

イムリーなところで、その切り口がえらく鮮やかだと思ったのは、「YAWARAちゃん」を語ってるこちら。:http://www.absoluteweb.jp/ohno/?date=20040816 :http://www.absoluteweb.jp/ohno/?date=20040818 :http://www.absoluteweb.jp/ohno/?date=20040820