BSドキュメンタリー アジアに生きる子どもたち −少女 潘琴の夢〜中国・出稼ぎ労働者の子どもたち−

 11月頭に衛星で放送した番組。昨日の深夜、総合チャンネルで再放送してたのをたまたま見た。
 勉強ができるのに、家にお金がなくて進学したいけどできない。日本円にして月3,000円のお金が、だ。

 なんというか、すごい分かりやすい主題。国内外の子供にかかわる問題を今の日本でジャーナリスティックに訴えようとしたら、拳銃とか麻薬とか人身売買とか家庭内暴力とかひきこもり親殺しとか、そういう題材になりがちだと思う。そーいうところにも、売れるための刺激を求めるから。出版社も消費者も。ある意味、〝いまどき〟、貧乏で学校にいけない子、をテーマにするなんて、びっくりした。そう、〝いまどき〟だ。そして、ストレートに共感できた。自分には直球で入った。なぜか。学問で(苦学して)身を立てることへの憧れ、貧乏への憧れ。少なくとも、暴力への憧れをそれが上回るんだろう。

 お金がないから、市場に売りにいく肉を工場が回してくれなくなったから、母親が足が悪くて働けないから、お前の分の学費を下の兄弟の給食費に回すから、今日は学校に行くなと父親から言われ、7人暮らしの部屋の角っこで立ったまま、声を出さず悔し涙を流す15歳の少女が、リアルにいる、自分が住むこの世界には、まだ。