ヤングガンガン 創刊3号

 巻頭はまたきたみんなの「FF11マンガ」。もうだめだ。ひどい支離滅裂。冒頭部は前回の引きをほぼぶった切ってるし、街に残してきた隊長夫婦の子供の命が危ないから妻のほうが街に戻るべきと主張してそのまま脱走って、毎号が読み切りですか、この連載は。そして最終ページでいきなりきたよ、次号休載告知。「バウンド」の時に柱に据えておきながらあっという間に休載していった亡国のイージスをいやおうなく思い出させる。「詳しくは次号誌上にてお伝えします。」って、作者取材じゃないの? きなくさい臭いがぷんぷんぷん。

 「黒神」。3話目になってもなんで基本スタイルがボクシングなのかは分からないが、遠隔攻撃なし、直接打撃のみのロリ黒ロングのアクションシーンは、まだ新鮮にうつる。え? もしかしてロリ黒ロングの人って、ノーパンですか。

 「マンホール」。ちょっと進行がゆっくりになったかな。もう少々男刑事が検視官から説明を受け始めるところまでフォローしても良かったと。

 ガンガンパワード主力陣からゲスト新連載で赤美潤一郎、「化野之民(あだしのたみ)」。えーと、この人のマンガは初めて読むんですが、何か過去の読み切りか連載の続編なんでしょうか。説明が足りないというか、読者が事前に了解しておくべき裏設定とかが要求されるんですかね。

 「戦線スパイクヒルズ」。斬られたお母さん、激しいわ。ロック。大ゴマ3つ目が激しくロック。このコマだけ「TO-Y」を超えた。来週あたり1話目冒頭に出てきた女子高生が再登場しないかのー。

 「ユーベルブラッド」。ストーリーより設定の消化を優先させるファンタジーマンガにありがち、な、展開。

 「NOBODY ノーバディ」。悪魔の化身ぽい主人公の人類抹殺を延期する行動原理のひとつが「日本じゃ出生率も減っているからどうせそのうち滅びちまう」というのにはガックリきた。原作のたかしげ宙が本当にこのセリフを書いたのなら、やっつけにもほどがないか。

 エロ作家登板二人目、瀬奈陽太郎の「地獄? 極楽? THE貧乏」。逆タマにのるはずが会社が倒産し、嫁と姑とボロアパートに住まうことになっちゃったエロコメ。ストーリーのわやくちゃさは、他の連載陣に引けをとらないのだが、姑のエロさで許してしまいたくなるので、次号からは評価の対象からはずして純粋に楽しむだけにする。でも、作者コメントを読むと瀬奈氏も月野定規氏と同じく一般紙初登場らしいので、この枠はこれまでエロのみ一般未経験作家用に残していってほしい。

 「荒川アンダーザブリッジ」。ごっつのカッパ親父コントを思い出した。ネタの質としても引けを取らない。「リクルートでお願いします」。毎号毎号、最後のコマが必ず面白いなあ。今週号で一番笑えた満足マンガ。

 「めたもる!! オーキッド」3回短期集中連載の最終回。きっと毎回違う原作者がリレー形式で話を繋いでいったんだろうそうだろうそうしとこう。



 ところで、この3号の巻末に載ってる、“いのうえゆう”という作家の読み切り「花園わんダーランド」は、前にどこかで読んだことがある気がする、というか読んでる。それなりに面白かっただけに覚えている。

 見つかった。消えていないマンガ家でゆう氏の過去作品一覧を見て確信。
 在りし日の少年キャプテン徳間書店、95年12月号で休刊)の面影をもとめて毎号欠かさず購入という苦行を自分に強き、休刊告知もなくフェードアウトしていったことに気づいたときには実は心の底でホッとした、AICコミックの流れを組む形で元キャプテン編集長の田山三樹氏が編集していた、あのカドカワムック「ドラゴンHG」(富士見書房)の2002/10月発売6号に掲載されていた井上行広の「犬の恩返し」が元原だわ。

 同人誌からの掲載とか、サンデー増刊別冊のような再掲作品で大半まとめた雑誌とかなら今時普通にあるが、新創刊マンガ誌で3号目にしてリサイクル穴埋めという、このタマの少なさはちょっと先々やばいのではないか。

 願わくば、つぶらひでとものSFマンガを再掲しまくってたドラゴンHGと末路まで似てしまわないように。*1

*1:06年2/4のトラックバックを参照。