ヤングガンガン 4号

 最初に雑感。創刊号から前号までの感想で、はやくもっとはっきりした雑誌としての方向性を見せたほうがいいとか、ファンタジー系マンガが全然ダメとか、いろいろ言ってきたけど、結局、一つ一つのマンガがどれだけ面白いかで、雑誌全体としての評価が出るわけで。
 そして、「ロトの紋章」との2本柱で大プッシュした「FF11」が壮絶な討ち死にを果たして、残った「ロトの紋章」も、固定ファン以外が食いつくような内容になっていない。これが読みたいから買う!という購買層は、おそらくまだ数少ない雑誌だと思うので、なおさら掲載マンガ一作一作の面白さが求められる、と。「ロトの紋章」以外、すべてオリジナルのマンガだし(小説原作はあるな。正確にはアニメ・ゲーム・オタクネタ原作がない)、ゼロサムで一歩飛び出したこれまでのガンガン系路線を、また一歩ずれて、こちら側というか、少年・青年・マニア・エロ系を取り込もうとする感じは応援したいんだが。今思い出すとヤンガンよりは泥臭いというかバンチ系に似た臭いがしてたコミックバウンドよりは、遥かに読めるし。
 
 「黒神」。よっし、打ち下ろしパンチで戦闘終了。期待通りボクシングスタイルを貫いてくれた。しかし、この男主人公は、やっぱり友達にしたくないヘタレ具合だな。ドッペルネタは唐突さがまだ拭えない。


 「すもももももも」。青臭い正義感ネタはそう嫌いじゃないというのもあるけど、超常能力を使ったストーリーより等身大の暴力でまとめてもらえば、結構読めるじゃないか。あと、ワンパン入れられて目が怯えた委員長の表情が良い。

 「マンホール」。この保険所の二人組み、あきらかに、怪しいな。あと、捜査をすごいこじんまりした体制でやるのね。市警レベルでやれることなのか。

 「戦線スパイクヒルズ」。やっとまともなことが言える大人がでてきた。若い欲望が突っ走っていたストーリーに足場が付けられた感じ。

 「荒川アンダーザブリッジ」。ラブが面白に変換できてない。リク1人でボケ突っ込みして終わられてもなあ。次号に期待。

 はっとりみつる3回連続オールカラーの1回目「僕らのカタチ」。特には萌えなかった。

 原作:ゆずはらとしゆき、作画:オオシマヒロユキ×猪原大介「CANDYPOP KILL! KILL!」前編。格闘シーンででかいコマが一個あると、ビシッと決まったと思うがなあ。コマ割りが細かすぎて、目で追うのがちと疲れる。乳首見せすぎなロリポップ咥えたセーラー服少女は、熱血でなかなかよい。

 エロマンガ家一般誌初挑戦シリーズ第3弾のLINDA「「メモリーズ」。今号に後編が載った「地獄? 極楽? THE貧乏」もそうだが、せっかく一般誌に描くんだから、本職エロマンガ家とはいえいまさらぬるいセックスシーンを入れさせるのは、どうか。エロは欠かすな、本番入れるな、といったところで。

 「バンブーブレイド」。わかった。これは萌え路線ではなくて、いわゆるヤングキング系なんだな。ヒーローをヒロインに入れ替えた不良マンガか。それなら読める。