薬事法違反業者に対する行政処分について
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/02/h0216-2.html
ググって一番詳しかったのは産経。
↓
薬事法違反で業務停止90日 胎盤使った無承認薬製造
http://www.sankei.co.jp/news/050216/sha055.htm
死者が相次いだ抗ウイルス剤「ソリブジン」事件で日本商事(現アルフレッサファーマ)工場が受けた業務停止105日に次ぐ重い処分。
医師は無承認の医薬品でも治療に使うことが認められているが、今回のケースでは研究会が同社の製造行為に積極的に加担した疑いが強いと厚労省はみている。
医師は免疫力の回復などに効果があるとして皮下注射で埋め込む療法で使っていたとされる。
同社によると、2003年は1万4000本余を製造。健康被害の報告はないという。人間の胎盤を使った医薬品は「プラセンタ製剤」などと呼ばれ、内服薬や注射薬として更年期障害や肝機能障害の治療などに使われており、胎盤を原料にした化粧品も出ている。
細かく刻むだけならあまり手間がかからなくて、いわゆる「プラセンタ注射」料金の相場に比べて利幅が高かったのだろうか。でも、そのような処理は、薬事法上の承認が降りないから、無許可のまま、検査委託の名目でやっていたとか。
加工胎盤の製造と回収は昨年10月までにすでに終わっているが、それが迅速でなかったことを厚生労働省は重視しているようだ。
ところで、過去2番目に業務停止期間が長いという90日間の処分の重さが、迅速でなかったということだけを重視して課されているようには、あまり思えない。
105日間の処分を受けた事件で、複数人の死人が出たらしいことに比べて、カネのため未承認医薬品をつかって医療行為を行っていたことは、そんなに重いのか? それとも、皮下注射で減菌処理+刻みの胎盤を体内にねじこむことは、例えば、そのうち死人や後遺症の発生が考慮されるような危ない療法なのだろうか。
今回の薬事法違反は、脱税と同じように、明確な被害者が見当たらないで90日の処分を与えているが、それが死人を複数出して105日の処分の次、というのが、どうも腑に落ちない(あるいは、死人を複数人出しておいて、105日で済んだという処分のほうがおかしいかもしれないが)。それと、別に脱税の罪が諸外国と比べて国内法ではあまり重くない(1回目は執行猶予処分で済むことが多いとか)ことが妥当だとういうつもりも毛頭ない。
あと、産経の記事を読むと、人間の胎盤が病院治療以外に、化粧品といった生命に関係ない分野にまで利用されているらしく読めるのは、なんだかな無駄に煽ってるなという感じ。TBSがニュースにしたのも、そのあたりのニュースバリューを狙ったものなんだろうが。放送は見てないけれど、どのあたりに焦点をあてて内容を伝えたのかしらね。
化粧品は、国内では牛や豚の胎盤を使ってるとよく聞くけれど、人間の胎盤を使った市販化粧品なんて国内メーカー製品であるのか、ほんとに(牛もBSEであまり使われなくってると思うけど)。