灰色ネタのおいしさとリスクヘッジ

 武田徹の「オンライン日記」(4/3)で月刊現代掲載のミラーマンインタビューについて。

で、ぼくがこの種の難しいインタビューの依頼を受けたら(ってないんですけどね、その種の仕事)、取材の時にビデオ撮らせて貰う条件を出すな。別に凝った動画作品を作らなくてよい。ただ三脚据え置きで撮ったバストショットの映像を自分のサイトから流す。そうすればウソをついているのかどうか、読者がインタビュイーの声を聞き、表情を見ながら自分でチェック出来る。特に文字だけだと省かれてしまう表情の情報は、この種の記事の場合、すごく雄弁な証言者になってくれるはずだ。
インタビュー記事の場合、相手の言葉を正確に伝えるのが使命なので、構成ライターは話の内容の真偽や公正さに積極的に関与出来ない。しかし、皮肉なことに確実にライターの評判や、印象批評的な心証は、誰の、どんなインタビュー記事に関わるかで、決まってしまうので、微妙な立場の人をインタビューする場合は自衛策を採るべきだと思う。

 いわゆる“塀の上を歩いてる”人を取材対象とする場合、相応のリスクヘッジが必要という意見。
 立ち読みでインタビューを読んでみたが、3時間を費やしたというインタビューからミラーマンの言い分に沿うように抜き出したはずの言葉は、だけれど、説得力がいまいち。おそらく法廷でも主張しただろうポイントを改めて並べただけのように感じられた。
 マスコミによって濃厚に塗り上げられた灰色疑惑に楔を打ち込むには、弱いインタビュー構成に感じられ、インタビューイーの女性がこの仕事で得た金銭以外の代価は、果たして見合うものだったのかとは、確かに思う。ミラーマンが、また別の新鮮味のある有力な反証を示していてくれたなら、やるメリットも高まったと思うんだが。まぁ、このあとのゲンダイでの仕事に繋げていくとか、経済界や政治家のネットワークに食い込む足がかりになる可能性もあるとは思うから、いろんな面から判断はされてるんだろうけど。

 また、自分のキャリアを左右する判断を個人で出す機会を迎えた場合、そのときどの道を選ぶのかということだ。もちろん、引き受けた当初の目算が土壇場で狂うこともあるだろうし。
 たとえば、野田敬生氏が鈴木宗男との対談を引き受けたのちに、そのセッティングをした東京大学が“ひよった”せいで、引き立て役に貶められてしまったケースとかな→(http://d.hatena.ne.jp/bullet/20041128#p2)。

インタビューの雰囲気を判断して貰うためのビデオ映像であれば、かなり圧縮して配信出来るので、ストリーミングサーバでなくても対応出来る。ジャーナリストコースでは、ウィンドウズムービーメーカーで編集し、Blog作成のMovableTypeにテキストと動画ファイルをアップ、そこからダウンロードして貰ったファイルをウィンドウズメディアプレイヤーで再生という流れを実際にやってみた。この組み合わせでは作品発表の場になるMTだけは買わないといけないけど(ファイルがアップロード出来ればMTでなくてもなんでもいい)、あとはウィンドウズXP付属品であり、余計なコスト負担はほとんどない。それだけで自分のインタビューの信頼性を自力で確保出来るのだ。それができるだけでライターの将来は全然変わってしまうと思う。

 すいません、MovableTypeとかいうところで、降参です。やっぱ、ビデオ編集技術はなんとかはやいところ身に付けねば……。