ヤングガンガン 9号

 ヤンガンどうでしょう。
 どうしてこんなにもやもやするのかなー今回の号は、と感想を書くのを保留継続していたのだけれど、やっとわかった。


 グラビアがすげぇ安っぽい、今回。
 
 巻頭の檜風呂で白水着は、湯船の端にまたがってる1人を除いて、ほか5人全員がほぼ同じ構図。風呂のつくりも木目が味を出してるというよりは、廃材?という感じ。
 6人が違う制服を着てる巻中グラビアは、絶対ライトの当て方か光源の方向を間違えてる。屋外でノビノビ撮ろうという趣旨なんだろうに、いまいちポーズや表情に固さが残ってるのは、総じてカメラマンの腕に起因するところか。
 巻末グラビアは、貧乏くささが圧巻。この布団の柄は、どうよ。畳が自分の部屋とどっこいのくすみ具合。修学旅行先の旅館、という設定が少しでも込められているのかもしれないが、これは明らかに置屋のタコ部屋でしょう。あと、富田 麻帆なるアイドルだけ胸が微妙にでかいのがバランス的にちょっと。

 6人分のギャラを出したせいで、撮影予算が圧迫されたのだとしたら、本末転倒でしょう。なんとなく、外部の芸能プロからの持込企画じゃなかったのかなぁ……という気もしないではないけれど、人数だけで、アイドルのレベルやカメラマンの腕や予算の少なさまでカバーできるもんではなかった。かつてマンガ誌でこれは……というグラビアは、「AICコミック」の声優コスプレグラビアで極めたと思っていたが、それは超えないにしても、次号のHカップアイドルの結果如何では、グラビアは青年誌の常套なんだから暖かい目で、という認識を改める必要もあるか。


 閑話休題


 久々にボクサークロがきたぜひゃっほう「黒神」。自分の技術を初めてボクシングと認める発言。でも何故ボクシングかその理由は、後まで引っ張るらしい。みかみお姉さんも長州力ばりのサソリ固めや、変形スリーパー、腕ひしぎ十字で対抗。あとちょいとすごいなと思うのは、それらの格闘シーンを描く作画担当の朴はおそらく、格闘技のファンでもなんでもないんだろうという感じなのに、迫力のある格闘シーンを描いてること。この画力で月産数百枚のマシーンぶりは伊達じゃないか。

 久米田康治読み切り「いいがかり姉さん」。スクエニ合併にまでいいがかり。FF映画にまでいいがかり。まさにいいがかり。いいんじゃないでしょうか、ファンが求めてた久米田健在ということで。

 大島永遠読み切り前編「おあずけBABY」。女子高生は可愛いが、話に中身が見事にない。あまりよくないんじゃないでしょうか。「女子高生」で描けない可愛い娘を描きたかっただけなんだろうか……。

 「すもももももも」が危機的状況に。いろはにツンデレ卒業の危機が。話そのものは、後方で繰り広げられるギャグと画面を占領するアクションが、うまく融合して面白かったのだが、この話をやるまで、あと2話ほどツンデレ話を引っ張って欲しかった。

 「戦線スパイクヒルズ」。こっちは引っ張りすぎ。原作通りなのかもしれないが、隔週で最終ページのオチも毎回似ていては、パターンが過ぎる。

 「ニコイチ」。藤本さんじゃないが、息子との触れ合いがまったく描写されないので、そのせいで主人公が身勝手に思える。

 「荒川アンダーザブリッジ」。ああ、もう今回ではっきりした。はっきりラブと家族というテーマをやりたいらしい、作者は。はっきりすれば、そうやって読むのでこの作品はもうそれはそれで構わないのだが。でも連載1、2回目で見せてくれたあのギャグも読みたいんだよ!ということで、ガンガン系他誌でギャグものもやらせませんか編集部の人。ヤンガン以外のガンガン系雑誌に手を出すキッカケにもなるんで。

 「バンブーブレイド」。うーん、単にヘタレな顧問という以上の印象は受けなかった。

 「OPEN! メイディーズ・カフェ」。話自体はよくある展開なんだが、キャラの顔の表情のなさが、なんだか「まことちゃん」っぽくて、今にもサバラ!とか言い出しそうな気が……って、もう感想と関係ないな。

 「デアボリカ」。後味わるーい。けれど、また読みたい後味。シリーズ化を。


 次号は、大島永遠の「あおずけ〜」後編を除いて新規のゲスト読み切りがない。そして、月1ペースまでの定期連載陣が「ニコイチ」を除いてすべて掲載される予定。定期連載陣だけでどこまで誌面を充実させられるか。現時点の地力を測る号として期待。



 あーでも、「化野之民」はどうせまた休載かな……。