「Life Is Peachy?」(鬼束直)TENMAコミックスLO

　なんかいまエロマンガの感想をアップするのは時期的にどうよな感じもするが、別にかまうか。いいもんはいいんじゃ。

　表2以外広告無しのガチンコロリエロマンガ誌「LO」からやっと、おにづかなおしが初単行本化。LOレギュラー陣のなかでもっともクセのない絵柄であるため、あまり目立った評価は受けてないのかもしれないが、個人的に同誌でいちばん楽しみにしている作家。

　帯で「これは新しい！」と持ち上げてるが、これは間違ってる。ストーリーの仕立て方は平凡といって差し支えない。
というか、とにかくスタンダード。ロリエロマンガの一つの最大公約数。よって、裏表紙にかかる帯の「広域型ロリータ作品集」という文句は、大正解。
　十数ページを使ってエロに流れ込むまでの丁寧な描写は、きちんと作品をつくろうしてるなと分かる。基本に対してとにかく忠実。忠実というのはエロマンガという枠のなかでという意味ではなく、読み切りマンガに求められる起承転結のあり方に対して。
　監禁とかSMとか娼婦とか輪姦とか異常性愛（ほかに適当な言葉はないのか……）のロリもまったくなく、少女が思春期に持っていて欲しいとロリ男が妄想しがちな、興味本位エロシチュエーションにほとんどの話がとどまる。
　エロマンガ歴を重ねた人にも、これからエロマンガを始めようと思う酔狂な初心者にもオススメする、基本の一冊として。

　アパートの隣の部屋に住む少女が遊びに来る「サタデーナイトレジャー」、結婚の決まった教師と少女に別れが訪れる「シック　サッド　リトル　ワールド」、課題中の親戚の男のところに水着で乱入してくる「レディ　マドンナ」、兄の自慰の手伝いをする「トーク　アバウト」が、読みどころ。

Life Is Peachy ? (TENMAコミックス LO)