美少女的快活力 VOL.5

 飛びぬけてエロい作家は、VOL.4掲載作家と同じ執筆陣では以下の4人だった。



 その中でも、VOL.4のエロさに打たれて夏コミで非エロ同人を購入した犬(ほっへ!!団)の読みきり、「赤ずきんは狼が好き」が今号で一番。
 巻中カラーの冒頭4ページは、ミニサイズ水着+シャツの前を胸のところだけわざわざとめさせて寄せさせた上で、パイズリ。水着の赤とほぼ同色の亀頭が谷間から顔を出してふるふる震えてる構図が、ありえないほどエロい。
 で、今回の水着少女は、VOL.4のセーラー服先輩ほど斜めってる思考の持ち主ではなく素直なほうなはずなのだけれど、ヤッてる時の眼の表情がやはり一筋縄ではない“憂い”を感じさせる。エロはエロでおおいに自分も楽しみながらもどこか思考の片隅では冷めた視点で行為に励む自分と相手の男を睥睨しているような。



 そんなふうに、一心不乱に没頭するのではなくて、背徳感や後ろめたさをエロの中に感じさせるのは、今号で巻頭カラー「旧わすれな・2」を描いてるゼロの者もまた、うまい。
 兄と妹。妹の部屋にしかないクーラーで涼みに行くという名目で、部屋を訪れた兄の愛撫に何も言わず暗黙の了解で肌を許す妹。
その行為が中途半端に終わって、引越すときもっていく私物を庭の物置に探しにいくという兄の後を、「自分も行く」と追っていき、再び行為にふける兄妹。そこまでに行為の同意や、キッカケを得るための直接的な会話、アイコンタクトを一切交えない(アイコンタクトはヤッてる最中も)。
 ツンデレなんていっても、所詮はベタベタしてる最中は愛を言葉で語ってる分けで、そーいうの一切なし、空気だけで好きとかヤリたがってるとかお互いが阿吽の呼吸でもつれこむ、しかもそれが読者に伝わって、かつエロい。そのほうが1ランク上をいってるとは言えまいか。
 単行本をまだ一冊も買ったことはないんだけれど、やっぱりゼロの者はたいした才能をもってる。



 嘉下葱「ファインダー・後」。
 顔を直接見られながらの行為を拒否していた写真部の先輩が、正状位に望もうとして一応確認をする後輩に、「……もういい」と“落ちる”瞬間が、good。リアルに近い乳の大きさや横分けショートの黒髪は、ハードエロがほとんどの連載陣の中では珍しい。少女マンガ的なほのぼのした雰囲気が強い絵柄ながら、きっちりエロい。あ、こちらも夏コミで新刊(SCHOOL INFIRMARY)買わせてもらいました。



 上乃龍也「よそはよそ うちはうち」。
 「兄と妹はエッチしてはいけなかったんだよ」といまさらのことを告げエッチを拒否する兄に、「よそは〜」と甘えて、結局なだれ込む。そこからはスタンダードなエロ行為に励むだけ、ではあるんだけれど、まぁいつも通り、描写のポテンシャルが高いので実用度十分。甘え上手の妹という設定にしては、乳がでか過ぎるかな、と思わないでもないが個人の嗜好で左右される範囲だろう。