コミックビーム 10月号

 これがデビュー作という鈴木健也の短編読切「虫の味がする」。
 虫食好きの噂がある上級生にノートを見せてもらった代わりに自宅で飯をご馳走すると誘われた大学生。食欲と性欲という二大欲求をうまくからみ合わせている。大学生の脳内イメージとしてインサートされる上級生を脳内変換した南国少女が、イモムシを噛み千切る見開きにゾクゾクきた。ビームでは珍しい、肉感的な色気が訴えてくる(あくまでビームにしては)。

 にしても、この絵柄は。ほぼ確実に以前、どこかで眼にしているぞと脳の片隅がささやき続けていて、もどかしさがMAX。見たとすれば、おそらくティアあたりで本を購入した、といったところなんだろうが……。あー、すごい近視感が。それともアフタヌーンで似たような絵柄を見かけただけかしら。*1



 色気がある絵柄と言えば、空間コミックビーム:大場渉の日記(http://www.kanshin.jp/comic-beam/?mode=diary&id=18849&date=2005-07)の7/22で予告があったよう、入江亜季が次号から連載スタート。去年の春頃に、喫茶店の看板娘(ツンデレ風味)とそこに通う男の話を読み切りで掲載した入江亜季が、11月号から「群青学舎」のタイトルで連作読み切りスタート。入江にもこの読切一編でかなり打ちのめされていただけに、期待が大きい。何気ない立ち姿やしぐさでアピール度が高い絵は、読切だと特に印象が深くなる。同じように連作形式をとっていた「少年少女」がビーム購読再開のキッカケになって、安永知澄が連載を終了したところに、入江がその形式で初連載を始めてくれる。もう一度、期待大。


 そういえば、昨年末あたりにウルトラジャンプで読切が載った大田黒隆夫も期待してるマンガ家だが、その後の動きが見られない。忍空など始める誌面のスペースがあるなら、もう少し新人育成の場を。

*1:Design and Implementation of RJJ(9/12)で「鶴田謙二。」との指摘。ああ、そうか! だからアフタヌーンの名前がチラついたのか。