『鴉-KARAS- 第弐話』DVD発売記念 タツノコオールナイト
http://www.thekaras.net/tatsunokonight/
いまやOVAってリリース数自体がまったく少なくなって感想を探すのも大変だったりする。そんな状況でも、ネット上で、絶賛2:話分かんねぇ8、くらいの比率で評判をちらほらと目にして、なんとなし気にしてた作品のオールナイト上映会+タツノコ名作選。
DVDを買うほどではなく、レンタル屋で借りるのも億劫。それなら、池袋テアトルのちょいでかめホームシアター程度のスクリーンでも一応、映画館であるし、家じゃステレオ2chの音だし、ということで行ってきた。
100ちょっとの席の9割ほどが埋まっていた。当日のみの受付が瞬殺で入れなかった「雪風」オールナイトに比べると、知名度のほどが如実が表れていた。*1会話などを聞いてると半分くらいがアニメーターなどの業界人らしく、一般アニメファンには広報が行き届いてないのね。はやってない定食屋の暖簾を間違ってくぐってしまった時の様な、落ち着かなさを覚えながら、「鴉」の1話、2話、3話の連続上映、23:35スタート。
CGキャラクターの剣戟で、ここまで太刀に重さとスピードを与えることができるようになったのだなぁ……。溜めと瞬発。その緩急。
特に1話。冒頭で繰り広げられる、いわゆるドラゴンボール的な空中戦にも、なんというか、“軽さ”は感じなかった。
1話後半と2話で、主人公格にあたる乙羽が鴉に変身→登場する時、変身の力を与える少女ゆりねが、和文で秒読みするシーン。2回とも、1話冒頭の剣戟を思い出し、自然に鳥肌が立つ。
3話目上映後のスタッフトークセッションで、CGの鴉の動にモーションキャプチャを使ってないという話を聞き、驚く。アニメーターか誰かに動きをさせて、ビデオで撮ったのを参考にした程度という。
剣戟の気持ちよさを語るのに、比較対象として分かりやすい例をあげると、秋葉のフリージアの店頭デモを30分立ちんぼして観た「FF VII ADVENT CHILDREN」の映像。あの単調で、もっさりして、骨格のない軟体生物がマリオネットしてるような、長大助長ふわふわアクションとは、はっきり比べものにならないほど、痺れた。
新宿を舞台にしている一方、日本語を独特の書体の異世界語に変換した美術設定や、真っ黒な甲冑で身体を覆った鴉が飛行形態や走行形態に変形して妖怪たちを追撃する3話のシーンも、観るに値する。
難をあげると、筋立てが、やはり分かりにくい。
ストーリー概要と各話は、公式サイトの説明(http://www.thekaras.net/story/)を読んでもらえばいいが、演出の問題として誰が主人公なのかはっきりしない。これはトークセッションで司会のアニメージュ編集長も指摘していた。
かといって、群像劇というほどに、それぞれの登場人物たちが背負ったものが対等の重さで描かれている訳でもない。また、セリフの数や世界観の説明などはあえて抑えられているので、そもそも相関関係というものがまだ希薄。おぼろげながらにしか分からないので、そういったドラマとして昇華していくにしても、それは4話目以降に持ち越されるよう(全6話予定である)。
セッションで客席から、作品が話題になってないことをあげて、広報のやり方を「今後もクローズドでやってくのか?」という天然なのか底意地が悪いのか判断がつきかねる質問。プロデューサーは「その質問は、ボディーブローのように効きますね……」と苦笑。まぁ、そう言われても仕方ない露出の程度だからなぁ。OVAなんでターゲットは絞り込んでいまして……、と返すので精一杯らしかった。
通常版なら送料込みで4,000円を切る値段で買えるので、それくらいの値段なら悪い買い物じゃないかと。
♯
「鴉」終了後は、タツノコ名作選。ディスコ風ミュージカルアニメ、ムテキングの「たこの頭に ハチマキ巻いて ぎゅうっと締めても 締まらない♪」を25年ぶりに聞けたことだけで、満足。ほかのキャシャーンなどの時は、うとうと。ガッチャマン劇場版は、南条博士のキチガイ発言といった、DVD化にあたって修正が必要そうな個所がいくつか。それから、すぎやまこういち+NHK交響楽団の音楽は、無駄に豪華で画面から浮きまくりだった。
6:25終了。
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