コミック阿ロ云 3月号


 なーんか物足りないなと思っていた原因は、ここ数号、摩訶不思議が載ってないことだった。次号予告にもないし。いろんな雑誌、渡ってる人だから、おかしなことではないんけど。今月号には載ってないけど、最近の新人だと、田倉まひろ、がキャッチーさで伸びてる。的良は……、まぁ、EIJIで頑張っててくれれば、それで。




「ピアノのある風景」(流一本)

 今時珍しいほどの清純派ロリ。ロリといっても、よくある目立つぷに系、ちっちゃい系ではなく、相手役の男とさほど身長の変わらないすらっとしたスレンダー系のロリで、新鮮にうつった。一方で、お話は30年前のアングラ小部数小説誌の短編といった感じで、でも、それがさほど古臭く感じられない、うまい復古の形。


「オナニーと緊縛王 後編」(霧恵マサノブ

 実用度は正直、レベルが高いとはいえないのだけど、その代わり、FUCKシーンを目を見張るアクションに置き換えた。


「緊トレ」(井上よしひさ

 1発ネタ。県大会を控えた女子アスリートに加圧式訓練と言い張って、緊縛してベンチプレスさせながらFUCK。髪を縛る加圧式と言い繕ってポニテも忘れない。 


「えみ子 後編」(祭丘ヒデユキ

 まぁ、今月号は、この作品について触れておきたかったのです、結局。
 再会した幼馴染の勇介との幸せな結婚。授かった娘に、「あたしの人生の間違いは犯されて破瓜した日から始まったんや…」という後悔から、娘に「不破瓜(ふあっかー)」と名付けたえみ子。しかし、小・中学生時代にえみ子を肉奴隷にしてきた甘田との不倫関係を断ち切れてなかったえみ子は、現場を抑えた勇介に串刺しにされて殺されてしまう。それから13年後、えみ子の父親・卓はバイオテクノロジー工学によってえみ子を仮死状態から蘇らせることに成功。元気に成長していた娘・不破瓜とも再会し、再び幸せな日々へ。だが、それも長くは続かず、1年後、えみ子出演の素人投稿エロDVDを見せられながら、勇介が実の父親ではない(甘田であったのだろう)ことを知った娘に怒りをぶつけられ、そこに高校時代にレズ関係にあった大妻(今は卓の共同研究者)の嫉妬が絡み、肉体改造でフタナリ化した二人に「娘の童貞を奪うなんて! あんたは世界最低の母親よ」となじられながらFUCKの海へ沈むえみ子。時は流れて、大妻が死んだのに何故か年をとらないえみ子と不破瓜。一方、世界中のメイドロイドが人類に宣戦布告して全人類女性強姦を目的とした反乱を起こす。アンドロイド創始者の河野は、中学時代にえみ子とプラトニックな付き合いをしていた頃、甘田に肉奴隷にされていたえみ子の裏を知って、極度の女性不振に陥っていたのだった。河野の人格がデータで保存されていた秋葉原のコーマン社(河野が創設した)に向かい、説得を試みるえみ子。「復讐したいならあたしを――」とつぶやき、メイドロイド軍団に10年間侵され続ける→でも一度もイってはいけないという試練に挑戦することになるえみ子。2コマで10年まであと1時間というところ、機械化して蘇ったモビルアマダが登場。本当は犯されたくてきたんだろと、えみ子をメカニカルアーム(触手)で虜にするモビアマ。瞬間、モアがカッという閃光と共に爆発、砕け散る地球。メイドロイド軍が世界21ヶ所の反物質反応炉を暴走させたのだ。人類とメイドロイドの90%が滅び、人機大戦が終結したその後の世界は、悪魔が出没し、女性を強姦する荒廃に覆われていた。そこに、肉体一つで悪魔に立ち向かうえみ子の姿があった。「世界がこんなになってもうたのはあたしのせいや…」。だが、次のコマでは、悪魔に捉えられた宴で、股間にグロテスクなイチモツを生やさせられてしまっているえみ子に、大学時代にレイプサークルでえみ子を弄んだ渡部=転生した今は大魔王メフィスパフリスが「私は悪魔崇拝者だったのだよ」「(レイプサークルでの行為は)この身に魔王を降臨させるための儀式(サバト)だったのだ」と衝撃の告白。驚くえみ子の目の前に、こちらも股間にグロテスクを植えつけられた不破瓜が連れてこられる。実に825年ぶり(!)の再会であった。イきたくてもイけない地獄を訴える不破瓜に、「処女は好きな男性にあげるんや でないと――(あたしみたいに――)」と言葉を飲み込んで、のしかかかるえみ子。「不破瓜…あなただけは……」「あなただけは…!」。愛液と精液が飛び散る中での感動の母娘愛。それから約260年後、カトリックダビデ対魔騎士団=カリクビタマキン隊の活躍で大魔王が討ち取られ、その頭首=勇介を遠い先祖にもつサンタマリア助介から、勇介がエクソシストとしてえみ子(実は不死人類=吸血鬼だったのだ!)を子供の頃から監視していたという衝撃の事実を告げられてしまう。血の代わりにSEXで他人の精力を吸い取るというえみ子を成敗しようとする助介。だが、えみ子と不破瓜の間に出来ていた娘二人がこれを屠る。それから約4400年後、えみ子の前に、4歳の頃に病気で亡くしていたはずの母親・とわ子が若い頃の姿のままで現れ、あれは休眠期だったこと、不死人である証としてえみ子に「永眠子」と名付けたことを明かす。親子、孫、ひ孫が揃った前で、「本当に…あたし好みの女(メス)に育って…」と涎を流すとわ子=永遠子。狂ったように笑い続ける不破瓜。二人の孫、娘、母親に顔射を浴びたえみ子のしわがれたような微笑で、西暦1000年目の物語が終わりを告げる。



 前編の設定を、別人が引き継いで、むりくり辻褄を合わせたら、意外にも傑作が出来上がりました、といった感じの、エロマンガならではの。



阿吽 (あうん) 2007年 03月号 [雑誌]

阿吽 (あうん) 2007年 03月号 [雑誌]