最近の某集まりで。

 「気功」の分野で大層えらいんだという人がいらっしゃいまして。国内でいろんな学位をとってて、論文も出してて、いろんな団体の委員とか歴任してきた人とか。
 その人が、気功はこんなにすごいんだということを説明するのに、プロジェクターを使って実際の映像を見せてくれまして。もちろん本人は大真面目に。だけど、こっちにとっては面白映像にほかならなく、花粉症が悪化したふりをよそおってハンカチで笑い顔を隠すのに必死になるくらい。
 東京にいる気功使いの達人が、宮崎で寝ているという寝台の上の患者に、遠隔で「気」を送る。東京と宮崎の両方を同時録画したというその映像が画面の左右に映し出され、すると、患者が反応。からだが小刻みに震えたり震えなかったり。患者は気がいつ送られてきてるのかは分からないということになっているそうで。
 さらに、今度は、北京だか天津だか大連だかを結んだ映像で、日本versionの比でないくらい患者が両足をばったんばったんさせて。その間、気功の人は、なんというか、ラーメンの麺とかビザ生地をつくる料理人の仕草を麺と生地なしでエアギターしてるようなポーズを激しく撮り続けるわけ。
 最後は、案の定というか「宇宙エネルギーが頭頂から入ってきてなんたらかんたら」言い出して、もう一度、花粉症がひどくなった振りをしてとうとう溢れてきだした涙をぬぐった。