「ひよこのたまご」(裏次郎)TENMA COMICS LO


 「オラ嫁」「幼女天下」「しなだれ悪巧み」「はらんでもナイペタ」「セックスレス小学生」など数々の名文句を(My脳内で)生み落としてきた、ボクらの志津子が大活躍する名作シリーズ「はらませ!」全4話+番外編を収録。デビュー作の「おしかけ!」で描いた、幼女+割烹着+スク水+今日から奥さん、というプロトタイプを、見事に昇華させた。ロリマンガ好きなら、今月のMUSTBUY。では、主な各話感想は雑誌掲載時のものから。




 久しぶりに良い短編を読んだと思えた作品。20Pの中に話の流れをうまいことコンパクトにまとめた。女の子と男の間に何の属性関係(兄妹とか教師生徒とか)も設定がなく、初めて顔を合わせた同士なのにいつのまにか女の子がエロエロになって、それに対して男がちょっと本気でヤバそうな顔をして締め。エロマンガによくある都合主義ではあるんだけど、不自然ではない。あー、なんかありそうなシチュエーションかも、と腐りきった自分の脳に思わせてしまう。
 LOではこの作品が3本目か4本目の掲載で、なんとなく気になる作家ではあった。この作品で株急上昇。
 序盤の流れを並べると、

  • ランドセルを背負った女の子が帰り道の途中我慢できなくなってしまいお漏らし
  • 近くのコインランドリーでスポーツブラ一枚になって洗濯
  • 入り口のガラスにルーズリーフの切れ端で「じゅんび中」の張り紙
  • を、しようとしたところに洗濯しにきた若者と遭遇
 ここまで20P中4Pを使ってコンパクトに流れをまとめている。
 で、7P目。動転した女の子が洗濯槽の中から濡れたままのパンツを取り出して思わず履いてしまうところから、コインランドリーの湿った室内に淫靡な雰囲気が漂い始める。
 二人の関係が出会ったばかりだから当然、兄妹のように強固ではなく、なんとなく場の雰囲気で触り合いが始まる。張り紙はしてあるが、いつ誰かが入ってこないとも限らない。
 たとえば兄妹モノでは、ヤリ始めればもう二人の間に物理的だったり精神的な横槍は入りようがなくそのまま突っ走るだけ。この作品でもヤッてる間はそれに集中する二人をきちんと描いているのだけれど、なんだかコマの外、ページの外に緊張の背徳を感じる。
 挿入後の描写が3Pで尺が足りてないと言えば足りてないと言えなくもない。が、そこに至るまで上気した女の子の表情とネチネチした悪戯な会話で十分満ち足りた。

 新人だと思ってたら、「エロフラッシュ研究所」というところを主催しているそっち方面ではツワモノの人だった。そういう視点で見直すと、コマ割りや構図がモニターを意識した、いわゆる一般的なマンガのやり方と違う、コマにきっちり収めてくる人だな。
 お話は、「オラ」「だべさ」なロリっ娘にbabyつくるべと断面図結合にいそしむ様がなごむエロで、もうLOの柱の作家に数えてOKでしょう。

 だべさ幼女の発案で、禁SEXを一週間続けて、妊娠率をあげよう計画を立てるも、二人して耐え切れなくて風呂場でいたしてしまう。
 今までも何度か触れてきたが、この作家は、二人の間にじわりじわりと淫靡な雰囲気をつくりあげていく手並みが、すこぶる上手い。バックから乳首をいじられながら、切なげな顔で「ロリコンこじらせて死んでまえー」とつぶやかせる台詞回しの、拒否しきれない甘えが乳繰り合いの空気に混ざり合っていく微妙なテンションの加減とか。ことの終わったラストページで、焦らしブームが到来した幼女に、おねだりして飯を食わせてもらいながら「ウザかわいい」とニヤけるオチが、なごやか。

 色素薄目のヒロインがドツボに入って、ストレートに可愛い、以外のひねった言葉が出てこない。妄想ったって、やっぱり自分にとって理想の展開にもっていこうとすれば、それなりの妄想力が必要なわけで、この作者は、その妄想力のコントロール精度が群を抜いてる。ブーメラン名人のごとく。狙ったポイントにまっすぐ針を落とせるヘラブナ釣り名人のごとく。初単行本は早くも2007年のMyベスト候補。

 「はらませ 3」の卵管描写は、断面図こみっくで二つ隣にブースを出してたF4Uの影響かなぁと思ってたら、F4Uが1ページ寄稿してた。金髪わかばちゃんを嫁にとられてた。返せ!