とりあえず1点、指摘する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071025-00000013-yom-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071025-00000129-mai-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071025-00000941-san-soci
「9割も」というフレーズがやけに強調されているが、では、5年前に行われていた前の調査ではどうだったのか。
- 「有害情報に関する特別世論調査」の概要(pdf)
http://www8.cao.go.jp/survey/tokubetu/h19/h19-yugai.pdf
4ページの「児童ポルノの単純保持の規制について」聞いた比較グラフを見比べると、今回調査では「規制すべきである」の69.6%と「どちらかといえば規制すべきである」の21.3%の合計が90.8%。つまり9割。
一方、5年前の2002年8月の調査結果は、「規制すべきである」の59.5%と「どちらかといえば規制すべきである」の21.0%の合計で80.5%。つまり8割。
もともと8割もの規制推進派の声があったわけだ。が、それはよろしくない、表現の自由等に定職する問題があるとして見送られたわけだ。では、1割増という結果をもって、今回は即、改正に踏み切るべきだという論にたどりつくか? 8割と9割の賛同の差をもって、世論が熟したと言えるのか?
さらに回答者数は、5年前の3,247人から半分近くも減らして1,767人。減らしたことによって、果たしてデータの偏りは生じてないか?
5ページでは「実在しない子どもの性行為等を描いた漫画や絵の規制について」聞いている。*1
今回調査では、「対象とすべきである」の58.9%と「どちらかといえば対象とすべきである」の27.6%の合計は、86.4%。
2002年8月の調査結果は「規制すべきだと思う」が53.0%、「どちらかといえば規制すべきだと思う」が23.1%。合計は76.2%。
こちらも1割の増加。回答人数も同じくほぼ半減。9割と8割の差にいかほどの差異を見出したものかについて同じ疑問を持つし、また、1割増ということについては、先にあげた「単純所持」の禁止とあまりに増加割合が似通いすぎではないか? いったいどういう層がこれらの質問に答えているのか?
世論の誘導に成功したかのように見せかけるデータをもって、憲法上and法的な問題をクリアすること以上のイギを見出させようとする姑息さを、内閣府は恥じろ。
もう少し指摘しておくと、調査が「個別面接」。そりゃ「児童ポルノもいいんじゃない」なんて態度は取れんわな!
あと、1ページ目に内閣府大臣官房政府広報室世論調査担当名で「本資料の内容を引用された場合,その掲載部分の写しを下記宛にご送付ください。」の但し書き。
はーーーーーーーーー? そんな但し書き、公的資料で初めてみた。税金でやった仕事になんでいちいちそんな要求されなきゃならないんよ。バーカ!
*1:正確な質問内容は次の通り。「現行の法令では、実在しない子どもに対する性行為等を描いた漫画(コミック)や絵(イラスト)などは、規制の対象となっていません。これに関して、実在しない子どもを描くのであれば、他に害を及ぼさないため、現行のままで問題ないとの意見があります。一方、これらコミック等が児童を性の対象とする風潮や児童に対する性的犯罪を助長するとの意見もあり、実在する子どもの写真やDVDなどと同様に規制の対象とすべきとの意見があります。」