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  • 「群緑の時雨」2巻発売記念 柳沼行サイン会 at ジュンク堂書店池袋本店
    • ふたつのスピカ」を連載していた柳沼せんせーの新作「群緑の時雨」の2巻発売記念サイン会。
    • 12〜13年前の創刊初期のフラッパーでデビュー、継続して作品を発表、同誌一筋を貫いている唯一の作家(生え抜きでない「ロック」と「アタゴオル」を除く)。フラッパーが育てたといえる作家で今も描いている作家は、ほかには案外いなかったりする(「エスニシティ ゼロワン」の多田乃伸明くらい?)。一方で、ここ数ヶ月の誌面は、「アタゴオル」を終わらせたのをはじめ、連載作品の半分近くを入れ替えた大幅リニューアルを実施(ちなみにリニューアルは角川買収の前からのもの)。新連載の大半は、アライブ・ジーンとの合同新人賞から引っ張ってきた作家(3誌は編集長が現在同じ)。その意味で、野心的で前のめりな編集方針には好感を持っている。ただ、今のところ、これは化けそうという新連載が見当たらないのも確かで、そういった中で安定して面白く読める「群緑の時雨」のような生え抜き作家・作品の存在は応援したくなる。しかも、12〜13年の作家生活で初のサイン会ということもあって、来店。
    • 列に並んでいたファンの半分が女性。年齢層も幅広い。フラッパーを読んでるというより、作家・作品のファンという感じではあった。
    • 柳沼せんせー本人は言葉少な。脇の編集の人を介して、イラストの代わりに押した、“伊都”のイラストの消しゴム判子を前日、急遽彫ったんですよと聞く。判子は、用意されたインク台よりも大きかったため、ファンが自分で押す形に。
    • 「群緑の時雨」の物語は、2巻のラストで5年の歳月が流れ、第1話冒頭で成長した主人公3人が舟にのって乗り込むシーンが描かれた“式桜城”に関わるナゾの一端が触れられた。このナゾが、これまでの純時代モノな世界観と異質な、多少のSF色を匂わせるものとなっていて、おぉ?そうくるの?という良い感じの引き。ひょっとすると、もっと先で「七夕の国」的な展開がある? そうだとしても、芯のところで主人公3人の物語であることはには変わりないのだろうけれど。
  • ヤングエース 1月号
    • こちらもここ数ヶ月、連載作品の終了が続々。「低俗霊」とか「エコー/ゼオン」とか、あからさまな打ち切りにちょっと引くほど(「コアカヘッド」は作者自身の都合も含む)。「まかまか」は残念だけれど、よく続いたとも思う。「ミハロリプレイス」があるので購入は継続。