280万人のオタクは少ない?(上の続き)
自分がネットで件の記事を見かけて数時間だが、ちらほらと、巡回サイトに感想が。
中でも、「オタク人口280万人」の数字や、ジャンルごとのオタク占有率の高さに比べた絶対人数の〝少なさ〟についての感想がひっかる。
この少なさの感覚を語る際、野村総研側が設けた年10万円分の購入という枠が、オタクを計るものさしとして、どのくらい妥当なものなのか、また、どこから算出された根拠を持つのか、というところが気になってくる。
全体の購買層に無作為アンケートした結果、購買頻度や情報のチェック度などと絡めて、10万円のラインが見えてきたのか。あるいは、オタクを自任するような集団へ集中的にアンケートした結果、平均購入額をはじきだしたのか。
それとも、10万円以上をロイヤルカスタマーとしてカテゴリする一定の基準が、オタク業界(ソフトメーカー、広告代理店など)やオタク流通(「アニメイト」とか)、はたまた野村総研に、あるのだろうか。
あと、「オタクが280万人しかいないはずはない!」という気持ちの裏には、いくらコミケが延べ50万人を集客しようが、社会的マイノリティっていう思いは変わりなくて、だけど「みんな隠してるだけで、本当はオタク層は根深く広いもんなんだ」、深く静かに影響力を持つ人種なんだ、って自意識がある……、ような気がする。
別の言い方をすると、年10万円以上のブツを買うだけの、市場を維持するための優良顧客層としての性格しか、記事からは読み取れない、オタク業界への人材供給といった創造的、生産的面を評価した部分が見当たらないのが、オタク側の自尊心を、かすっちゃってるような気もする。