東大どうよ?
先週の駒場祭で自分を含め300人以上を集めた鈴木宗男×野田敬生対談会「地方政治と利益誘導」について、野田敬生氏が自身の発行するメールマガジンで、「東京大学からの規制」と題して、東大側の意向に沿うような対談にするよう様々な「要請」があったことを書いている。
個人的に一番疑問だった、なぜ対談の告知を開催当日に駒場校内でのビラ配布だけしかやらず、事前告知をしないよう要請したのかについては、次のような理由があったらしい。
どうして大学がそんなに神経質になっていたかというと、一審で有罪判決を受けた刑事被告人に、仮にも東大が弁明の場を与えたと受け取られるのはいかがなものかという“極めて官僚主義的な”懸念があったからに他ならない。事前告知やマスコミ取材が禁止されたのはそのためである。
当初、鈴木氏単独の講演を予定していたこの企画は、8月ころから準備が進められていたようであるが、11月5日の有罪判決で事情が一変(とはいえ公判日程は事前に分かるし、判決も十分予想できるから東大の対応も間抜けである)。内部向けのプログラムに鈴木氏の名前が掲載されてしまった手前、今更取り消すのも変だということで、対談形式を条件に開催が許可された。急遽筆者に依頼があったのはそのためである。
もともと、ムネオのワンマン語りを予定していたところ、開催日の2週間半前になって有罪判決が出てしまったもんだから、最高学府が犯罪人の自己弁護に協力したと思われるわけにはいかず、むりやり対談という体裁に変更したってことらしい。つまり、最初っから当たり障りのない範囲でなんとかまとめあげることだけが目的だったっていうことだ。そーいう事情があったんじゃ、つまんなかったわけだよ。といわけで翌日の日記では、なんで志位共産委員長の記事が載ってムネオの記事が載らないのか疑問を思っていたけれど、事前告知禁止するくらいだからマスコミ取材も遮断していたってオチのようだ。
結局は依頼を受けた野田氏も途中でアドバイスしたらしいが、ほんとうに中止して欲しかったところだ。中止していれば、〝事前告知できない対談だって!〟なんてこっちも煽られずにすんで、祝日の半日を浪費せずに済んだわけだから。
犯罪人だからしゃべらせられないってあのムネオに手のひらを返して、後で睨まれるのがイヤってのが理由だったとしても、それが東大の中枢とそれに従った地方政治研究会の結論であり主張なんだろうから、それでムネオに意趣返しをくらうことになるかもしれない可能性くらい粛々と受け止めなさいよ。
それに、対談相手が野田氏に決定するまでの段取りというか、やり方もなんか気に障る。野田氏に依頼のメールを送ったのと同じ日、たぶんccの同時発信で、*1テレビコメンテーターの勝谷誠彦氏にも依頼をしているからだ。さるさる日記 - 勝谷誠彦の××な日々。の11/15分ではこうある。
講演といえば今朝受信箱をあけて私は仰天した。東京大学のactive programなるサークルから駒場祭で話をしてくれという依頼が来ていたのである。相手は鈴木宗男で大いに心動いたが(笑)なんと23日14時からだという。講演の一週間前に相手が火曜日の15時から大阪でレギュラー番組を持っていることも知らずなおかつ紳助さんの事件でこれほど世間が知った通り私が吉本興業所属なので当然窓口はそちらだろうという常識も持ち合わせぬ東大生を見てなるほど彼らが役人になるとこういう国になるのかと納得する。ちなみにメールは<本日15日18時までにお答えをいただければと存じます>と結ばれている。君たちを中心に日本が回っていた時代はもう終わっているんだよ。
で、野田氏のブログの11/19分では、こう。
出演要請のメール連絡を受けたのは今月15日の月曜日未明。回答期限は同日午後6時というショート・ノーティスだった上、その後の紆余曲折もあって、正直かなり翻弄された。実施決定のメールに目を通したのは今朝のことである。
この二人以外にも出演依頼をした人がいるのか、ムネオに対して二人以上の聞き手を揃えるつもりだったのか、それは分からないが、常識的に考えて、おそらく残り一人分の出演枠の依頼を、複数の人物に同時に出して、回答期限もまったく同じ、しかもその日の朝に送った依頼を、即日夕方までに返答しろってのは、確かにちょっと信じられない。もし両方の応諾があったら、1人を選んでもう1人は切ったのか? それこそ、ムネオに講演会の中止を願い出るよりも失礼なことだろう。
そういえば、ジャーナリストの武田徹氏が、取材のスキルや対象に臨む姿勢を実地に教える養成講座を、ちょうどいいところに東大で開いているので、せっかくだし地方政治研究会の人は、受講しにいってはどうか。
こちらですよ。→「安全・安心と科学技術」プロジェクト
*1:やはりそこまで迂闊ではないと思うので、ってもまぁそこまでの内情はどうでもいいが。