週刊新潮5/12号『野田聖子議員もダマされた! 「児童ポルノ禁止」NPOの女性理事長は「元ポルノ業者」』

 今日売りの週刊新潮で、ようやくマスコミ的にも公になった、ジュベネイルガイドのエロゲー利権狙い疑惑。すでにネット上でいろんなところで暴かれていることなので、そのあたりに新味は特にないが、記事後半で、勉強会に招聘された経緯についての説明が。

 ジュベネルの説明では事前に、ソフ倫理事長だったことは伝えてあったが、エロゲをつくってことは説明してなかったよう。
 野田聖子議員は、勉強会の場で初めて、エロゲをつくってたことを説明された、と答えている。

 2者の言質は一貫しているが、ほんとに知らなかったの?とはちょいと思う。*1けれど感覚的に思うだけで裏付けはないので、これ以上推論は展開しない。

 一方で、まだまだ萎えない野田議員の反エロゲ魂。エロゲメーカーとの前身を知ったうえで、

が、過去を責めようとは思ってなかった。とはいえ、児童モノを扱っていたとなれば話は別。

 とはいえ、の後の論理があいかわらず飛躍する。
 そこで思ったのが、たとえば、こういう極論。
 「野田議員自ら施述を受け、その体験を昨年12月に単行本で上梓した不妊治療は、人間の始まりである卵子精子をモノ扱いする傾向を助長し、子供に生命の尊さを育む教育を阻害するので即効禁止しなければならない」。
 一見もっともらしく書ける。中絶反対のアメリカのカトリック団体あたりはおそらくこういった主張を展開してそうだが、子供の教育に対する影響については、いまのところまとまったデータはない(はず)。

  • エロゲ→児童への性犯罪に走る人を増やす

  • 不妊治療→生命をモノ扱いする人を増やす

は、いまのところ、ほぼ同列に無根拠な主張に扱える。



 あと、これは言わずもがなかもしれないが、新潮がこのネタを記事化したのは、エロ方面からのアプローチではなく、政治家ゴシップにアンテナを張ってたらたまたま今回のネタが転がってたというだけで、記事にするにあたってエロゲ=低俗という枠は崩してない。先に書いた野田議員の捨てゼリフについても何のツッコミもしていない。
  『自民党「性犯罪対策委員長」(「奈良女児誘拐殺人」事件で設置)のセンセイは「婦女暴行」で2度告発されていた!』でも、性犯罪の再販率の数字の根拠とか、性犯罪者の情報公開の妥当性などにまつわる議論については完全スルーだったんだから。

*1:ソフ倫の理事長はエロゲメーカーでなければなれないという前提がほとんど一般の人にとって自明のものであるなら、エロゲをつくっていたことを野田議員は知っていたことになるが、両者の言葉を言葉どおりにとるなら、エロゲメーカーであったことを説明してないし、説明されてない、ということでも通る。が、これは両者の認識に関する文面以上の情報がないとこれ以上判断しようがないので、保留しておく。