少年シリウス 11月号

 やはり、シリウスの都内の書店への配本状況は、25日〜26日に出る他の月刊マンガ誌に比べて、後ろにずれ込む傾向がある模様。25日の夕方に新宿東口の新宿書店でやっと購入。一方、池袋の新宿書店には入荷しておらず。売れなさそうだから入荷してない訳ではなく、26日当日にはちゃんとたいていの本屋では棚に並んでいた(当たり前だが)。素直に発売日まで待って買えばいいのだが、祝日が週末に重なって21日にアフタヌーンを買ってしまうと、そこから5日間も飢餓状態が続くのはちょっとつらかった。


 しかし、今号の電波ピリピリ少女蘭の表紙はまた可愛いな。前号が黒かった分、なおさら。「阿吽」と「LO」を少女マンガ誌と同じ棚に並べるうちの近くの本屋に、3誌目の勘違いが加わりそう。


 今月号も800ページで盛りだくさん。ゆったり展開の「魔法使いのたまごたち」はとうとう休載(次号、表紙巻頭で再開)。2号空けて久々に載った「バロック」の次回掲載は、また2号分空けて2月号。これに「ソウルメイトツーリスト」「夏の魔術」「アヴェンテューラ」を加えた4作品が今号で連載を再開させた。
 月刊誌でこのばらつきようはどうなのよ、という思いはあるか。マンガ挑戦が初めてだったり、アシがいなさそうだったり、他誌の連載が押してたり、といったふうにそれぞれ事情は異なるように推察できるが、それにしても。配本が遅いのと関係あるのかね。



 伝奇モノの「0⇔1 Rebirth」、西洋モンスターモノの「Double Cross」は、他の連載陣から大分、テイストが浮いてきた印象があったところ……、って、予告で次回最終回の見出しの下に助悪郎といっしょにある「Double Cross」。早々と。低学年層までターゲットに据えたこの少年誌では、両作品とも絵柄が合わないかしら。




連載再開巻頭カラー「アヴェンテューラ」。

 いい子たちだねぇ。このマンガが載ってるかどうかで、女性購読者の数が大きく変わってそう。

巻中カラー「ロボとうさ吉」。

 1話できちんと描けていた、宇宙空間におけるスピード感が、成層圏をレース会場にした今回の話では、いまいち表現しきれていないのがもったいない。ウサギ親父のアクションはきっちり描けてるんだから。
 というか、作画面の手がおそらく追いついてない。力量の問題ではなくて(それは充分ある)、かけるだけの手間隙、人力=アシが足りてないと推量。編集部は支援を。

「海の人」。

 主人公は日本人だけど銀髪で赤い目。そのことを指摘する博物館員の少年とのやりとりが、モノクロのページではすんなり飲み込めない……。1話目では確かにカラー付きだったけどさ、こういう話の時こそ、巻中カラーを冒頭2ページにつけさせろよなぁ。そして、主人公は自分の肩口を抜けていった弾丸の瑕を一瞬で治してしまったり、ナゾは深まるばかりです。酒場の地下に隠れ家(の一つ)を持っていたり、部下のお姉さんは主人公の逃走路を先読みして河底にダイブした主人公となんなく合流したりと、主人公ら潜水艦チームのプロっぽさをアピールする展開はうまく感じられた。
 雑誌連載の段階で積極的に応援しときたい作家ではあるんだけれど(過去、結果的に打ち切りになった作品が数多いので)、話全体は単行本でまとめ読みしたほうがすんなり頭に入ってくる作家なのかなぁ(それは、10年以上前からの印象なんだけれど)。

連載再開巻中カラー「バロック」。

 ラスト、風呂のバスタブの穴から異次元へ旅立つ主人公と司♂(=翼♀)。2ヶ月の休載に出した結論は、こちらの世界を一旦離れるという、話を進める方向になったようだ。

「21世紀番長」。

 作画をオオシマヒロユキ、原作を猪原大介に分けて表記するのは初めてか? 子供はウンコ大好きだろ?という直球がいまのところ、裏目に出てばかり。笑いに転化せず。

「龍眼」。

 大増量の57ページは、密度充分。今のところ要望は、ナイロンでできた鬘のようなレイラの髪型を、NATSUMI☆ちゃんポスターのツインテールに変えて欲しいことくらいかな。

「Dear Monkey 西遊記」。

 前回の河童姉御のツンデレ旋風から一転。
 「舌を抜かれて・・・・」でグッと掴まれた。村をなんとか逃げ出すテンテンたちの背中になげかけられる、妖怪の体に接木されるカタチで首のみ生かされた村人たちの声「私達と同じなら」「きみの兄さんも」「きっとまだ」。ラストのページでテンテンが後を追いかける妖怪に乗っ取られた兄の大ゴマ。その前のページのテンテンの、逃げ切った安堵と妖怪に乗っ取られたままの村人たちを残してきてた後悔がないまぜになったような表情が、また切ない。
 村枝のアシ時代に培ったスキルがいかんなく発揮された、ここまで一番の出来。

「もえちり!」。

 困ったときの、はやおネタ。これに新たな候補として、山羊頭“ペログリ”デビルが加わった。今話で、シリウスでのポジションを完全に確保したね。“ペログリ”は固定キャラでいけるね。あるいは今後別の連載を始める際には、是非スターシステムで登場を。つーか、今話は、お笑いウルトラクイズのノリに近かったな。

「乱飛乱外」。

 田中保左奈が田中ほさな名義で連載2回目。週刊サンデーでやってたやつは、正直色気が足りなかった。伸び伸びかけてるようで、いいんじゃないか。

「鉄甲神剣ゴウジン」。

 「四季使い」もそうなんだけどさ、なんかいちいち説明的だよな。剣戟はさすがに読み応えがあるんだけれど。