「アカン!! もうむちゃくちゃにしてっ」(木静謙二)MDコミックス


 いつか買ってみようと思っていた作家の人の新刊が出たので。

 この本の表紙買いはあるのか? 平台に並んでる最近の新刊・準新刊・既刊の中から浮き上がるようなインパクト。セミリアルのウェディングドレスが水袋のような双乳を下げてしゃがみ込んだ姿勢で、右に「アカン!!」左に「もうむちゃくちゃにしてっ」のタイトル。8分目ほど開いた唇の上下に並ぶ白い歯に、要求に応えられなければ食い千切られそうな気配さえ。


 巨乳モノ幕の内。ぶるんぶるんさせる乳を縦横無尽に使い尽くす濃密なエロ。乳の形がまたバリエーションに富んでいて、体位や角度によって筒状、平べった、とんがり、ふさふさ(←何?)、etcを楽しめる。


 劇画ちっくが入る絵柄に巨乳、ということで、通常カップルのラブラブもそれはそれで読めるが、やはり白眉は、人妻熟女話。
 収録作品では、「eats in (前後編)」の人妻ファーストフード店員+バイト高校生と、「Hey mama」の親友の水商売母+その親友高校生が、がっつりきた。特に水商売母。背景のひなびた室内の描き込み(ちゃぶ台やら箪笥やら襖やら角型日本風傘の電灯やら平屋の家やら)が、おちゃらけた明るい性格の中に生活を背負った母の満たされない性の欲望をリアルにたらしめ、息子の親友が高校生なりの純朴なひたむきさを向けるのを、ちょと合間にためらいも見せつつ、思い切り食ってしまう。こーいう、24Pというページ数で描かれた話の向こうに、そこまで行き着くストーリーを思い起こさずにいさせない短編は、非常に好みだ。あと、人妻熟女に欠かせない厚ぼったい唇でトドメのインサート。


 MDコミックスはどれも、値段の割りには比較的ページ数が少なく(170〜180Pくらい)、ちょいとお得感が薄れるのが難点だが、これは薦めておく。消しも極細シロ線で許容範囲。



 発売に合わせた「木静謙二 アカン!!もうむちゃくちゃにしてっ販促ページ」で、下書きやモノクロ収録のカラーページが見られる。単行本タイトルは「極道の妻たち」のチンピラとの濡れ場シーンにおけるかたせ梨乃の台詞から、とのこと。


アカン!!もうむちゃくちゃにして (MDコミックス 368)

アカン!!もうむちゃくちゃにして (MDコミックス 368)