シリアナ(監督・脚本:スティーブン・ギャガン)


 DVDになってたのを見つけたので、メイキング付き特別版を秋葉原・ヒロセDVDBANKで15%OFFで。


 上映時の感想はこちら(http://d.hatena.ne.jp/bullet/20060307#p1)。


 やはり、2度以上観る必要のある映画。前知識なしでも一度、ざっと観てから人物関係、各人の立場と行動原理を把握してから、腰を据えて観るといい。
 メイキングや未公開シーンで何度も出てくる、ジョージ・クルーニー演じるCIA工作員ボブの妻役の人は、映画本編では完全にカットされていた。契約か何かの問題だろうか。
今、ニュースで目にしない日はないベイルートヒズボラといった場所や組織も登場してくる。しかし、イスラエルは言葉としても登場人物としても出てこない。今、この状況で観ると、それが不自然にも思えてくる。上映時の感想では、石油取引仲介をしてくれた兄王子をCIAに暗殺された中国のカウンターが描かれないのがどうも……、と書いていたが、それよりも。
 イスラエルのエネルギー調達はどうなってるのかというと、「原子力百科事典 ATOMICA」などを参考にすると、石油・ガスはエジプト、石炭を南アフリカ、オーストラリア、コロンビア、インドネシア、米国などから、あと原子力。仮に、イラク戦争が泥沼化していなければ、米国経由で(あるいはイスラエルイラクをパイプラインで結んで)イラクの石油を得ることができていたのか。石油を輸出しているというエジプトは、今回の空爆に対して、30日になってやっと非難声明を中東諸国の連名で出している。これは、世論に配慮したポーズなのか。ロシアとの共同でイスラエルの地中海側と紅海を南北に結んだパイプラインの計画が4年前に明らかになっているが、これの建設がどこまで進んだのか、ネット上ではうまく探せなかった。一応、イスラエル空爆には停戦を望む方向で調整に入っているようだが……。


シリアナ 特別版 [DVD]

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