COMIC快楽天ビースト vol.11


 初めての購入理由は、表紙・巻頭カラーの「めいど in ぷあ〜」(さめだ小判)の一点買い。今までも読んできた作家なのに、なんでいきなり自分の中でブレイクしたのかと考えると、額から上が小さくなってるからだった。前までは、頭部が妙に間延びした感じで、それがちょっとエロに集中させない違和感で。股間のアップから舐め上げるようにして上気した表情を描いた構図の多用が、エロース。この絵柄を育てていってくれると。
 ほかは、知らずに夏コミで買ったキミキス同人がお気に入りだったナイロンが、「バットと少年」(ナイロン)を描いていたり。寂れた漁村でボロ屋に住むナゾめいた女性に筆おろししてもらう小学生のひと夏の出来事。こちらを読んだ後、夏コミ3日目で同人を購入したのにまったく同じ作者と気付かなかったのは、鉛筆オフセットの同人の絵柄と、ペン入れした「バットと少年」の絵柄が、雰囲気を違えていたから。ガリガリして硬い印象のペン絵に比べて、しなやかでしっとり感さえ漂う同人の鉛筆絵のほうが、まったくもってエロくて、惜しい。商業はペン入れしないとしょうがないのはそうなんだけれど、この人はペンを修行するよりも、このまま鉛筆の描線をなんとか生かせるような路線で行ったほうがいいように思う。あるいは、オフセットのカラー表紙もかなり良い線をいっていたので、商業は4Pカラーを依頼するとか。