ギガロック vol.15

 表紙があきまんから加茂に代わって、それ目当てで初買い。書影がみつからなかったので書店で見てもらいたいが、これは買っちゃう。浴衣を着くずした流し目。和風なイラストのバックにアメコミチックなGIGA69の題字というミスマッチ一歩手前のカッコよさ。
 中身は読めるマンガがほとんどなくて残念。HPで前の掲載陣を見るとかなり入れ替わってるので、この号は、という注釈付きでもいいかも。白抜きべったりの“消し”が大きなマイナスポイント。ギガロックの単行本は買ったことがないが、仮にこの半分の“消し”に弱めてあっても買わないな、という塗りっぷり。単行本の告知でしあわせ1500が9月に出すとあって、おそらく半分くらいはLO掲載分を収録してくるんではないかな。






「タマ」(山下クロヲ

 身の回りからSEXの世話までしてくれる人造人間“パペット”のタマと、彼女に惚れた少年の話。
 決してうまい絵ではなくて、どちらかというと女の子の体つきは、いびつ、とさえ言っていい。おっぱいは、でかいけど変な形。松山せいじのように、奇形が一回りしてエロエロ、といういびつさには至っていない。
 けれど、SEXはするけどパトーナーにはなれないと少年の好意を拒否するタマとの感情のやりとりに、じわっとくる。ヤりながら、相手の言葉にちょっと黙ってしまうコマの挿入とか、細かいところが効いてる。“パペット”共和国樹立のオチも、からっと明るく。ちょっと、追いかけておきたい作家。


「はたらくおねえさん」(大波耀子

 朝から晩までバイトで稼いで忙しい年上の彼女と、奨学金生活の貧乏大学生にやってきた、あるお祝いの日。“消し”で削られたエロ分を、ラブラブっぷりで補って余る。