ワールドカップの日本チーム初戦直前のような膨らむばかりの空気感。
えーと、このブログにしては前代未聞、予告なしに2日も更新を蹴ってしまったのは、割と真剣に、どうやったらなるべく短期間で次期安部政権を終わらせることが可能か、と考えをめぐらしていたから。統一教会なり、NHK圧力問題の再燃なり、“功名が辻”を目指す取り巻き議員のスキャンダルなり、尻尾を振る美国＝米国から梯子を外されるなり、いろんなパターンを考えられるとは思う、が、非常に流動性とタイミングの要素が高い素材ばかりで、参院入れ替え選挙までも1年近くあるので、ひとまずは10月22日に控える大阪9区、神奈川16区の衆院補選の見通しを、まとめてみる。メール問題の向かい風を小沢代表就任で追い風に変えて4月の千葉7区補選を勝利した民主党という背景は、通常国会における共謀罪案の行方を二転三転ではあったものの継続審議に持ち込むことにつながった。来年の参院選挙までに阿部政権は秋からの臨時国会、来年からの通常国会で、まずは消費税増税案、教育基本法改正案の通過を狙ってくる。最初の臨時国会で連立与党の動向に対するカウンターとして大阪・神奈川の補選が持つ意味は大きい。
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《大阪9区》
- 原田憲治（自民公認）
http://www.eonet.ne.jp/~haradakenji/
- 大谷信盛（民主公認）
- 藤木邦顕（共産公認）
大阪9区（池田市、茨木市、箕面市、豊能郡）の現時点における候補は3人。民主党公認の大谷は前衆議で、昨年9月の解散総選挙（http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1251/osaka.html）で、自民公認で当選した故西田猛の得票14万2,000票に約3万1,000票差で敗れている。
2003年と2000年の総選挙は大谷が当選、西田は2003年が比例復活、1996年が当選（96年時は新進党）。ちなみに胃がんで6月に死去した西田は、自民党の性犯罪対策委員長を務め、婦女暴行疑惑がマスコミに叩かれたことがあった（http://d.hatena.ne.jp/bullet/20050209#p1）。死去報道の際、そういったスキャンダルをとりあげた記事はみなかったし、そもそも死去報道自体、たまたま目にしたレベルだったので、西田を弔う意味合いを自民陣営でことさら持ち出すことはないだろう。
自民公認の原田憲治は現府議会議員で、故原田憲元企画庁長官の長男、つまり二世議員を目指すということ。自民内での候補者公募選挙では圧勝だったらしい。
民主の大谷、自民の原田ともに、目立った主張や実績はみあたらない。それぞれ党の枠からはみ出ていない。
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《神奈川16区》
- 亀井善太郎（自民公認、公明推薦）
- 後藤祐一（民主公認）
- 笠木隆（共産公認）
- 小松宏三（無所属）
神奈川16区（模原市、厚木市、伊勢原市、愛甲郡、津久井郡）は現時点で4人。自民公認の亀井善太郎は、5月に無くなった故亀井善之前議員の息子で去年から秘書。二世が亡き父の意思を継ぐ、というお膳立てが出来ている。故亀井善之は過去4度の選挙で連続当選（http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1251/kanagawa.html）。農相を務めたこともある。16区はすでに地盤磐石か。同じ神奈川なのでコイズミも応援に出張ってくるだろう。
民主公認の後藤祐一は、経済産業省を去年退職した東大出身元キャリア。「実現男」というブログ（http://jitsugen.jp/index.html）をやっていて、ネット層には受けてるよう（http://society3.2ch.net/test/read.cgi/giin/1148662504/）。わらしべ企画（http://jitsugen.sakura.ne.jp/archives/2006/03/post_56.html）は探偵ファイルな臭い。
亀井息子が（35）、後藤が（37）で年齢が近いため、若手・フレッシュというイメージ戦略は相殺される。民主が勝つのはかなりきついか。
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雪辱戦で負けられない大阪9区の大谷カムバックに対して、余裕で臨む神奈川16区の亀井二世、といったところか。千葉7区は、マツキヨの息子の公職選挙法違反、民主若手のメール疑惑、小沢新代表誕生、7区を地盤にする比例復活民主議員の出馬断念と水商売経験有りの若手女性民主候補登場、エリート臭の自民候補とその名前を使った武部の下手駄洒落、といった要素が複雑に絡み合った末の、民主の辛勝だった。このときの複雑な背景に比べて、大阪と神奈川の補選は今のところ、安部政権誕生からほんの1ヶ月後、という風の中で行われるという以外、大きな争点や風向きを左右する要素がみあたらない。逆に言うと、その1ヶ月のうちに、安部政権の初手がどう転んだか、が目安になってきそうだ。
