ドラゴンエイジ 3月号


 倉橋ユウスが新連載を始めたのでしょうがないですが、なんで定期購読しなくてはならないのか。正直、納得してはいない。10年昔のコミックドラゴン時代。「天地無用!」と旧「オルフィーナ」と「はいぱーぽりす」と「セーラーボーイ」目当てに買ってた自分が今となっては信じられない。どのマンガも手堅い。オタク心にきちっきちっ嵌ってくる。その点についてはGAO!とは雲泥の差。さすが古参の富士見書房、と、賞賛を送っていいくらい。が……。なんというか、伊集院が「エンタの神様」に対してぶつけた憤りと似たものを感じているのかもしれない。きっと編集部もかなり代替わりしていて、けれど、ドラゴン時代からの確かな編集ノウハウを連綿と受け継いでいるようで、それは賞賛に値するとは思うのだけど。味わいで言うなら、グルタミン酸ナトリウム。味の素が日本人の味を代表するように、きっと、今、大王との双璧でオタクの味覚を代表すると言って過言でない。けれど。一人暮らしも長くなると、家庭の味がやっぱり恋しくなりますわ。まとまんねえなぁ……。




新連載・巻中カラー「レモンにビタミンCはそれほど含まれていない」(倉橋ユウス

 コマの書き込み、会話が、テンポ重視の多層構造でとんとんと弾みながら。ラッシュで二度載った読切作品よりは、シリウス新人賞を受賞したデビュー怪作に近い雰囲気。CGを多用した作画は、他の連載作品に案外、Gぺン系の温かみある描線が目立つことに気がつかせる。ぐりっとした目と逆どんぐり型の大きな頭部に対して、あっさり目のBODY描写は、エイジ読者にはちょっと物足りないですかね? 次号も買う。


「闇に恋したひつじちゃん」(長蔵啓丸)

 初めて読んだが、生徒たちの肌に浮かぶハスコラがキモくて、いいですね。


砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」(作画:杉基イクラ、原作:桜庭一樹

 これも楽しみにしたい作品。発表から数年を置いてわざわざマンガ化される原作モノは、やはり、光るものが見える。


ドラゴンエイジ 2007年 03月号 [雑誌]

ドラゴンエイジ 2007年 03月号 [雑誌]