コミティア79――よく購入してる主なサークルから。
- MATSUZAKI 《適当刊MATSUZAKI》
- オフセット「編集長の学校」
「編集とはな!」「自分では何も/できないという/類まれなる/才能を有する/選ばれし民が」「金になるヤツらを/アゴで使って/利益を搾取する為の/特別高貴な/アビリティーなんだよ!!」とか。最近、いろいろ抉ってくるなぁ、ここの新刊は。
- よこぢよしてる 《Original Aim》
- オフセット「Hub to GO!」
- オフセット「オサンポマカオ」
- 金太郎、草吉 《えのころ工房》
- オフセット「えのころ短短編① えのころ村の不思議のぞき」
- オフセット「えのころ短短編③ えのころ村の芸術作戦」
- オフセット・無料誌「えのころだより 24」
新刊がなかったので、過去に買い逃してた短編を2冊。「えのころだより」で、金田一のテレビシリーズがアホのように無数につくられていることがよく分かった。そういえば、八墓村以外の作品は、完全にオチを忘れている。今からでも、古谷版をじっくり楽しめるなぁ。
- 七霧京 《ぽらんぽらん》
- コピー誌「だるまさんがころんだ」
- A4ポスター
- 瓦敬助、兼処敬士 《脳髄魔術&NO-NO'S》
- オフセット「非日常的な日常Ⅲ」
- オフセット「非日常的なパーティー」
買ってから分かったことに、「日常Ⅲ」のほうが乱丁してたんだけど、こういうのはもっていけば交換してもらえるのか?
何年ぶりだ? ここの新刊は。産休で同人活動を休んでた作者が久しぶりに出した新刊は、マッドな科学者の父親が開発した、自分で保管場所に移動するじゃがいもをめぐってのドタバタ。読みやすい絵柄に抜群のテンポで、衰え知らず。月1ペースくらいで、きららフォワードに載ってくれたりすると、全くもって定期購入する動機になるんだけど、と思うくらい。水上のが終わっちゃったし。
- 瀬山晶仁 《STUDIO SOWEL》
- オフセット「10-0 TENDER LUV.」
- 梅本ゆう 《混沌》
- オフセット「やまたのおろち」
約180ページの長編を一挙収録。
まだ日本が日本と呼ばれていなかった頃、“たたら”を生業にする村は、燃料にする材木を切り出した山が大雨で起こす地滑りを「おろち」と呼んで恐れ、村長の娘を生け贄に差し出していた。ある日、村の外れで暮らす最後に残った末の娘は、戦を嫌って都から逃れてきた若者に「おろち」を沈めるため木を植えるのを手伝えともちかけるが……。
地味で厚みのある物語。地滑りを鎮めるほどに木が育つには自分が生きている時間では無理なことを分かって、次に地滑りが起きれば生け贄にされざるをえないことも分かって、地滑りで苗木が流されることも分かって、それでも植えることを諦めない末の娘。娘が植える木は、作者が軋ませるペン先のインクでもあるのだろう。
生け贄にされることを「おろちの嫁に行く」と村では隠喩し、恐ろしい地滑りである「おろち」と同じ名前をもつ若者は一心不乱に植え続ける娘の疲労を気にして、ある雨の日に無理やり休息をとらせる。雨音のみが響く小屋の中で、ふとした沈黙の後、澄んだ目で娘が「私/ろちの嫁に行ってもいいんだよ」とつぶやき、「はあ!?」と怒鳴り声で返す勘違いの若者=おろちに、娘が初めて、感情を表に出して馬鹿笑いするシーンに、いつの時代にもROMANCEは……とか。
変わらないと思ってること、しょうがないと諦めていることに、最初に立ち向かうのはどういう人か、どういう風に立ち向かうのか、そのとき周りは彼女らをどう取り巻くのか。よく描ききったと思う。
- 器械 《秋田モルグ》
- オフセット「DAMAGING STORIES」
四肢の先端が不自由な少女萌え、というジャンルを割りと独創気味な作者の新刊は、旧作“マイ・フェイバリット・デス”ほか、新作“コーマ=コーマの密かな楽しみ”を収録。“コーマ”で、手先がハサミになった少女の、そのハサミを引きちぎろうとするシーンが、なんか新しいなと。通常の生体部分を不自由にするんでなく、もともと不自由そうな部分をどうにかしようとする、なんというか、解体癖?
- 苦嶋 《Dogdays/しじましま》
- オフセット「久古堂奇譚」
- 茂子 《プリオを敬う会》
- オフセット「大魔法使い柊さん 風邪と魔法書と謎のくすり」
- のっち 《鉄の砦》
- コピー誌「ご主人様の言う通り」
ドビー君のオロロロローンが。終始、笑いっぱなし。相変わらずいいJOBず。
- まつもと 《松本興業》
- オフセット「君、プロレスは好きかね?」
- オフセット「君、プロレスは好きかね? 2」
がろうでん、とか、ざももたろう、とか、あぐねすかめん、とかの、超絶プロレスではなく、テレビでやってるプロレスを忠実にトレースしたような試合運びに、まずびっくりした。現実には固定されてしまうカメラ位置を、俺だったらここからこう撮る!、という考え方にもとづいて、切り取る。その試合までのドラマを描かない、潔さ。こういう試合が見たい!、という脳内プロレス具現化シリーズとして続けていって欲しい。
- 漆原 《蛙の館》
- オフセット「天ノ花地ノ月 蕾」
- シギサワカヤ、日坂水柯 《海底温泉》《おーはしまりのすけのほん》
- オフセット・合同誌「めがねのひと 3」
- 青梅松竹 《ばんぶーぱいん》
- コピー誌「食う女」
認められるのはうれしいけど、重くなる責任と向き合うにはそれなりの覚悟も必要で、なじんだ暮らしを捨てなきゃいけなくなることに不安もあるけど、きっと新しい環境でも新しい楽しみを見つけてなんとか頑張って生きていけるんじゃないか、しら。そんなことを美味しいトンカツ定食を食べながら、なじみの仲間、と。
ちょっと立ち止まっちゃおうかな〜、なんて周囲にその気配をアリアリ振りまきながら、でも本当に悩んでるだよ?、といった日常の一場面を切り取るのが、相変わらずうまい。
ところで、そろそろ、ペン入れした作品も読みたいなぁ。
明日出るのは「公園カフェ」をまとめたやつなので、後は、その前に帝王でやってたSEVENBRIDGEのプロトタイプ版がまとまれば。新作もいい加減、読みたいねぇ。