iPhoneはケータイマンガを変えてくれるの?

紙ベースの漫画をなるべく加工せずに載せることに重きを置き、文字が見づらいという欠点を補うべくピンチで拡大表示できるようにしている。まあ、それでも100点とまではいかない。解像度が低い文字は、拡大しても読みにくいからだ。
何故このような仕様になったのかと考えると、つまり既存の同人誌の再発信という点を重んじたからだ。すでに流通したコンテンツを、なるべく手をかけずにiPhoneというメディアに載せる。これは他の会社でもやっていることで、実績あるコンテンツを再販する手段としてAppStoreを利用しているわけである。

http://japan.cnet.com/blog/kirifue/2008/08/22/entry_27013113/

「拡大しても読みにくい」ってのは、もっと話は簡単で、10M以上のダウンロードを出来ない(させない)っていう、技術的なネックが一番でしょ。パソコンで落としてiPhoneに移せばもっと大きな容量でも可能だけど、それじゃケータイマンガの最大の特徴“いつでも”“どこでも”“すぐに”が失われる。iPhoneで読むこととiPod touchで読むことは全く違う行為だ。あと、2番目として、iPhoneの処理性能がまだまだってところ。解像度をあげちゃったら、ページが表示されるまでの時間とめくり速度が落ちちゃう。
自分は、iPhoneというメディアに期待しているというより、iPhone的な端末がもっと広がれば面白くなってくると考えている。つまり、それがアップルでなくとも構わない。



CDの売上低下と反比例で爆発的に市場を拡大しているiTuneを通じた音楽のダウンロード販売とケータイマンガが異なる最大のポイントは、

PCで読めるようにして欲しいというご意見もいただいたのですが、AppleがPC上で動くiPhoneエミュレータみたいなものを出さない限り、難しいみたいです。このUEIの電子書籍のみ動作するブックリーダーみたいなものができたらいいのですが、いまのところそういう予定はありません。

http://abworks.blog83.fc2.com/blog-entry-416.html#more

iPhoneでしか読めない=PCでは読めない=互換性がないというところ。音楽のようにPCでもケータイでもMP3プレーヤーでもということになっていない。PCと今のiPhone含むケータイでは解像度や可読性がまったく違うので。別途のアレンジをしないと商品にならない。いわば、PCマンガとケータイマンガは市場が分断されてる。個別に成長を目指していかなければならないとしたら、紙媒体に匹敵するような市場や読者に対する感動をもたらすようになるには、音楽ダウンロード販売よりも時間がかかってしまわざるをえないだろう。




ここからは話がだいぶ飛ぶ。


そして、PCマンガやケータイマンガがある程度の力量を持つまで、雑誌や単行本によるマンガ市場が果たして「保つのか」。もし、そこで時間差、空白期間、エアポケットがが生じるようなら、想像もつかないような混乱、淘汰がありえるかもしれない。どこが休刊した、あそこがつぶれた、とか個別の事態にとどまらない影響が。でも、それまでに打てる手はまだいくらもあると思う、と希望を持ちたいのが今の自分。