「女の子など募集中」(ガビョ布) WORLD COMICS SPECIAL

 エロマンガの単行本でこういうことを思うのは個人的にとんとない、相当珍しいのだけれど、秋葉原K-BOOKSで平積みされてるのを見つけた時、「装丁がしゃれてんなぁ」と。作者のHP(reconstructive)で表紙が掲載(http://home8.highway.ne.jp/gabyo_n/cover.jpg)されてるけど、右下の成年マークがなければ、少女コミックの棚に紛れ込ませられそう。1冊目の「すごい少女の唄 (ワールドコミックススペシャル)」の陰気で下手っぴな題字レイアウトに比べると(残念ながら書影はないので各自確認してもらうとして)、断然2冊目のこちらのほうがよろしい。表紙にちょこんとのっけた感じの、もりもり可愛いパンチラ幼女が、よく映えてる。
 K-BOOKSは、立ち読み用のビニールカバー掛けの本がプラスチック専用台に置いてあるので、そちらを読めば中身の確認はできるが、ビニール掛けされたのを表紙買いしなくちゃならないようでも、この表紙、装丁にグッときたなら、購入して損はないはず、と言っておく。今のところ、商業は雑誌媒体よりロリアンソロでの発表が多い作家だから、雑誌立ち読みで自分の好み傾向との合致を確認しにくいのが、惜しまれる。もう2冊目なので、ブロンコ一人旅との合同同人活動もいいが、商業で活躍して欲しいところ。



 今回の新刊は、1冊目の「すごい少女の唄 (ワールドコミックススペシャル)」と比べると、描線が細くなっているのがもっとも目に付くところだが、自分は細いほうが好み。ページあたりの情報量は多い作家なので、すっきり読める。
 掲載作品の中では、「恥ずかしながら帰ってまいりました」シリーズと、読み切り「夢を見るだけ無駄なんて」が、よかった。前者は、エロマンガ家(=おもいきり作者)が(読者に対して)臆面もなく妄想ヒロイン達と痴態を繰り広げる様が、後者は、前のボタンを外しにかかる少年からふと目をそらすばさばさの髪のヒロインが。


 理想的なロリ体型を描く作家の一人だが、その中でも淫猥さよりは可愛さが先に立つ絵柄。たとえば、同じくロリ作家でも犬星は、嗜虐心を誘うキャラクターを描くように思う。でも、だからガビョ布の絵柄にエロさが足りないかというとそんなことはなくて、ありえないものを見せられてるという点(可愛い、“けれど”あるいは“のに”、エロ)で、やはりそそる度は高い。ちなみに、ありえない、というのは、リアルに比してありえないという意味と、このくらい可愛いい絵柄は普通なら一般誌向きのはずなのにエロが織り込まれてるという意味の、両方について。



女の子など募集中 (ワールドコミックススペシャル)

女の子など募集中 (ワールドコミックススペシャル)