今日の読書

これはもう昔から言ってるんですが、通学定期とか駅前だとかの言葉がさらりと出てくる首都圏の作家の書いたものが嫌い。そんなに気軽に電車に乗るなよ! 電車ってさあ、もっと怖いものだろ? 乗り遅れたりしたら一時間ぐらい待たなきゃいけないんだ! 切符を買わなかったり、なくしたりしたら、つかまってものすごく怒られるんだ! それに間違った電車に乗ると、聞いたこともない遠くの街へ連れていかれて、帰れなくなるんだ! つくづく田舎者だな、俺。 しかしこういう人って地方には多いと思うんです。自転車と車には日常的に乗るけれど、電車(汽車)にはハレの日にしか乗らない、という人が。 鉄道って、基本的にわくわくするものなんですよ。

 現実の自分の周りにない、ブロック塀に囲まれた十字路や、土管のある空き地や、屋根の上にのぼって見る山のない街並みが嫌いだった「ドラえもん」。
 山のようにマンガを読んできて、「かたす」って言葉をさも標準語のように使わせるな! と何度毒づいてきたか。
 『街の中心は駅前にあるんじゃない! 城下町にあるんだ!』と青島ばりに叫びたい。


 そんな非日常をハレのままにしておけなくて、出てきた東京で日常に変えながら新たに手に入れた、その“わくわく”。まだ、手放すにはおしいのか?