コミックラッシュ 8月号


 緒方と石黒の読切目当てに初めて買ったんだけど。




 よく、2年以上もってるなぁ。




 石黒繋がりで言うと、こう、日なたに1ヶ月ほど放置して色褪せたフラッパーというか……。




 来月号にかずみ義幸の読切が載るとはいえ、どうしたもんか。






読切「人造人間カティサーク」(緒方てい

 "毎週夜7時に現れ街を破壊する巨大ロボットを相手に戦う、少女型戦闘アンドロイドのパワーの源は人間の少年への恋心だったが……。"

 4クール1年間の続きモノロボットアニメをモチーフにお約束を連発して、それらを読者も了解済みの上でのパロディとして、ストレートにお話をつくったら、どうなるのかという試み。
 登場人物たちの台詞がそのままお約束への突っ込みとして重層的なパロになっている。その中で、バーコード表示のマシン語しかしゃべれない(しゃべらせない)ヒロイン・カティサークだけはお約束的な台詞を言わない(言わせていない)ため、人間でなくプログラミングされた心しかもっていないにもかかわらず、主人公のかすり傷に急いで救急箱をもってきたりする行為が、上っ面でない深い愛しさをともなっているように見える。
 別の言い方をすると、ほかの登場人物全員が役を「演じている」中で、アンドロイドのヒロインだけがプログラミングされた脳で本気でその舞台を「生きている」。そんな反転した関係の中から、読者に向かって浮き上がってくるヒロインの健気さや素直さに心を打たれてみれ。


読切「カラクリ」(石黒正数

"登校拒否の少女は、死んで木製サイボーグになったけど機能停止してしまったお爺さんのことを忘れられず……。"


 「それ町」でドタバタ嘘メイドコメディが人気の作者だが、「それ町」でも、微かにこういった寓話的な匂いは感じさせる。一応、少年誌ということになってるラッシュで、主な読者層からどういう反応が返ってくるのか、そちらが気になる。





 ところで、04年1月の創刊なのに、なんで通巻51号目なんですか?





 編集長の崎山貴弘は、カラフルPureGirlの編集長だった人と同じでいいのか。



月刊 COMIC RUSH (コミック ラッシュ) 2006年 08月号 [雑誌]

月刊 COMIC RUSH (コミック ラッシュ) 2006年 08月号 [雑誌]