コミックメガストア 11月号


 毎号、個人のイラストサイトを紹介するコーナーの前で、ちょうどたまたまこの号を買った新宿翔壱書店のカラー1P広告が掲載。
 上半分がHPトップページのフロア案内図、下半分が簡単な地図となんだかよく知らないコスプレDVDの宣伝。出版社の系列書店でもなく、複数店舗をチェーン展開するのでもない独立型書店で、通販にそんなに力を入れてるのでもない、言わば山手線圏内ローカルでリアルの品揃えが最大の売りである店が、わざわざ広告を出すのは、珍しい。別にここが特にメガストアの販売部数が上、ってわけでもないはずだし。
 ただ、「成人コミックの品揃えは都内最大級!!」という見出しは、ウソではない。「級」という配慮はギリギリいるかいらないか。コミック棚に入りきらずに棚の上に横置きで積んであるのはどうかと思うが、まあ、そんなに痛むもんでもない。早売りも都内で最速の部類に入るし、立ち読みOKの新刊棚は表紙を客側に向けて縦置きで並べてあるので、さっと一覧できる。
 品揃えが同クラスの都内の店をあげると、秋葉原K-BOOKS、DO!BOOKS(東京三世社系)、メロンブックスの3店か。既刊含めてビニール無し限定ならオータムリーフ(ティーアイネットヒット出版社ジェーシー出版系)。立ち読み可というわけではないが、中身をパラ見で確認するくらいは見逃してもらえる。こーいう親切、というか営業熱心な店員もいる。ビニ無し次点は、高田馬場コアブックスコアマガジン系)。とらやたちばな、まん森、新宿書店は案外、品揃えという点では及第点クラス。137でリンクされてる大和書店というのはまだ行ったことがないので未確認。
 8/22付で移転した新宿書店の新宿2号店は、階段の途中にあるやけにセキュリティの厳重そうな一般家庭的ドアの向こうが気になる。店内は通路が若干広がってすれ違いがしやすくなった。もう、4Fのガシャポンスペースはオープンしたんだろうか?






巻中カラー「いもうとロリボ」(御免なさい)

 まぁ、メガストアはどっちかというと巨乳・お姉さん系ですよ。……いや確かに、来鈍とかゴージャス宝田とかベンジャミンとか猫玄とか和六里ハルとかMAC-VとかEB110SSとか、ロリ系の層も厚い。けど、どっちかというと、骨太というかバタ臭いというか肉厚というか強度高めというか、あまりこう、静脈を浮かばせた薄皮の肌触り、みたいなフィーリングまでは期待できなかったじゃないですか。
 そこに満を持して、という感じで登場したのが、この作家さんなのかな、と。
 妹型ロボット「妹ロリボ」を名乗る少女=チサ=白い肌にリンゴほっぺの日本人形がくまさんワンピースとくまさんぱんちゅと肩掛けカバン=が、貧乏アパートの僕の部屋にお試し期間でやってきた。
 話全体の調子は、軽いギャグをまぶして含み笑いをかもすくらいなのに、描線はそれと相反する日本画的な暗さと淫靡さが強烈。ぱんちゅのゴムや靴下の縮み皺、シャツの袖口や襟口のレースの捩れた具合、髪の毛の生え際、畳の目……のような細かい箇所に、尋常でないテンションのエロが蓄積されてる。
 行為描写は、少女のいたいけさをじっくりねぶるように。エロセリフの書き文字は不定形の吹き出しに不安を掻き立てるくらいに詰め込まれて、駕籠真太郎のマンガに通じる異常さを伝えてくる。



作者HP:平行奇塊学論




ほか良作は以下。

「アネキ計画」(天太郎

 片思いの彼女ができて姉の性のオモチャから卒業したい弟が、姉の挑発(ワザと)にまんまとのって強引プレイで奉仕。どんどん余裕のなくなっていく姉のとろけた表情の変化が読み手をも挑発する。


「夏色☆マジック」(トッド小山田

 なんかゲイナー君がアデット先生にヤラれてるみたいで、二次創作的にエロい。


「脳天姫物怪録 第壱話」(すどおかおる

 黒い羽をはやした堕天使っぽい少女の、アホの子っぷりがちょいと見もの。「かうぱあだけでまんこひゅんひゅんなるよおおお」ってどんな構造だ。


「生乾きランドリー」(土居坂崎

 コインランドリーで洗濯待ちのブラジル水着巨乳ちゃん。後から入ってきた未成年が下半身裸になってタバコを喫おうするのをとめると、「だったら同じくらいの太さで吸うのに適した何かを差し出してよっ!     例えば乳首とか!!」「ちょっとだけよ……」。
 コインランドリーを舞台にしたエロマンガには何故か名作奇作が多いような気がするが何故だろう。



COMIC MEGA STORE (コミック メガストア) 2006年 11月号 [雑誌]

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