コミックLO 3月号

そりゃ、箸にも棒にもかからん作品で水増しろとはまったく思わないが。自社広告で穴埋めってどうよ。去年の8月は発行を休んだし、もう、コミケスケジュールに合わせて作家が同人で忙しいからLOの原稿は無理です、ってことだろ、これは。LOの単行本がわりかし売れてるように感じるのは、作家とデザイナーの力。もう、そう決めた。次号予告のリバースの文字、表3自社広告の「実験です」の文字が白々しい。発注し忘れ? ぷだぺんな。ずいぶん前からの原稿募集パロ告知「コアでも鰐でも殴りこんで原稿ブン捕ってこい!」が本気でシャレになってない。


巻頭カラー「少年少女達の夏」(水無月十三)

 肉の薄い少年2人(褐色と白)の肢体と滑らかなチンポのほうに惹かれた。予兆が訪れつつある?

「お絵描きロビンフッド」(町田ひらく)

 とにかく余韻がすごい。
 写生大会で気になるあの娘は、眼前に出現したトラウマの元凶にばったり倒れ、自室のベッドの中でどうにもならない大声をあげながら、自傷行為にふけるのでした。一方、家に帰った少年は写生大会で描いた公園の景色に気になるあの娘を付け足してみたのでした。
 最終ページ、画用紙の絵の中のあの娘にザクッ、ザクッと歩み寄る画用紙の中の少年。自傷行為にふける音とも、あの娘の部屋の窓の下に立つ誰かの足音とも重なる、ザクッという音の深さ。少年とあの娘の心はまだ重なっていないけれど。

「コワガリ×ツヨガリ」(佐々原憂樹)

 使える度で言うなら今号で一番。スク水褐色妹の高飛車に徹しきれない様と兄のすごいへタレ具合が見所。個人的に脇下ファックは見栄えがよろしくないので、あまり使えず。

「雪列車」(スミヤ)

 寝台列車でヤるというシチュエーションというのはいいのだが、それが個室という時点で、寝台列車の意味なし。途中からは、室内の背景がほとんど描かれずどこでヤってるのかさえ不明。狭さを生かさないとあかんよ。2段式のベッドでカーテンだけを仕切りに上(あるいは下)の乗客や隣の客に気づかれないよう、肩幅×身長分の広さしかない寝台部で、どういう体位をどういう角度から描くのかが醍醐味ではないかね。「狭さ」を利用してこそ。なーんてことを、年末にがたごろうるさいB寝台で冴えた眼のまま、考えていたかもしれない。