コミックヴァルキリー 創刊号


 "戦うヒロイン"オンリーマガジン、とは名目上。



 実態は、マニア系作家を集めて、「触手」「拘束」「服裂き」で3題話をやらせてみた、言わば、"大喜利コミック"。
 


 ケツをぺんぺんやら、スライムぐろんちょやら、四肢引っ張りやら、おっぱい絞りやら、猥語攻めやら、鎖でバンザイやら、喉の奥まで太いのが!やら、ピカチューshockやら。




 壇上にずららと並べましたるは20作家。みなさんそれぞれ合う合わないもありましょうが、うまいことはまってるやつぁ、これがなかなか嗜虐心被虐心をそそりまするってなもんで。基本料金だけじゃ満足でねぇマニアなお客さんにゃ、オプションで「変身」「ヌル液」「放尿」ござれ。隅から隅までくりいむレモンクライマックス。てんこ盛りにゲップが収まる頃合見計らい、二月経ったらマタお目にかかりましょうや。ヴァルキリーの命脈は、イシハラの不健全図書指定を免れる限り!






「Gunner Queen 復讐の女王陛下」(R-Ex)

 素材は、お姫様拘束。創刊号の一番のヒット。
 3題話にこだわる余り、話としてまとまりきらず浮いた作品が多い中、見せ場の連続を矢継ぎ早に繰り出しつつ、深みのある背景を想像させる。不敵なニヤリで三白眼鎧の怒りを買い、目隠し+ギャグボールで拷問室の床に転がされても冷静なお姫様が気に入り。妙な異能があるでもなく、身体能力とリボルバーの腕で切り抜けるガンアクションシーンも上等。おそらく同人で人気がある人でなかろうか。


「FALLEN PRINCESS 落姫」(かかし朝浩

 素材は、お姫様+女エージェント。
 王国の秘密の宝を探しに来たエージェントに、放尿の拷問を受けるお姫様、までのシーンを半分にして、お姫様vsエージェントのバトルをあっさり決着をつけずにもっと尺を使って一進一退で描いてほしかった、くらいの読切ではもったいない話。


「御剣ハルカ危機一髪!」(かぢばあたる

 素材は、剣士女子高生vs不良's。
 不良たちが学園のほかの女子生徒に襲い掛かるシーンで始まる。どこの救世主伝説世界ですか。それとも「男組」ですか。エンターブレインでゲーム原作モノをこなしていただけあって、格闘シーンが読ませる。ゲームブック形式で、次号はストリップかスタンガン祭りかを読者投票で決めさせる。この投票がある時点で、一般誌とは言えないような気も(まぁ、スタンガンかな……)。


「星フル巫女」(日下部ツカサ)

 素材は、退魔巫女触手拘束。
 魔物属性をもったLDプレーヤーのAVケーブルがぐいぐい締め上げるのを堪能するが正解。回転するLDソフトが、ガイガンの胸のノコギリのごとく巫女に迫るシーンにぞくっと。


巻頭カラー「インフィニティブレード」(KEN)

 素材は、水着鎧の少女戦士。
 仮に、フラッパーでモノクロ掲載の「コブラ」をちゃんとフルカラー掲載したとして、似たような印象を持つのかなぁ、という映えなさ。脇腹に刺さった矢を震えながら無理やり抜くシーンはそそったが、別にモノクロでも。これのお陰で巻末のMARUTO!以外、ほかの作品すべてがモノクロになってるので、定価をもう100円あげるか次号のこの作品をモノクロにするかして、ほかの作品にもカラーを。


「すすめ!怪人くらぶ」(鈴木典孝

 素材は、変身コスプレ+アンドロイド娘。
 SEED!放って描いてたのがこれか……。……。いいんじゃないですか。ぷにゅんとしたキャラクターを画面狭しと飛び回らせる持ち味が、よく発揮されてる。こっちをSEED!でやってくれんかなぁ。


「サイレン・ソング」(千樹りおん

 素材は、女エージェント拘束。創刊号で2番目に押し。
 全身の感覚を数十倍に増幅するクスリを注射した上で、鎖で吊るし上げた手の爪の下に針。いわゆる基本。ひとくさり刺し終わった後の、消耗した表情にうんうんと頷く(このあたりからもう脳がショート気味)。


「レッする! アイドル」(武礼堂

 素材は、水着+地下プロレス。
 昔、弓月光がプレイボーイで大観衆の前でSEXバトルトーナメントするマンガを描いてたなぁ、なんてことを思い出しながら。むりやり地下プロレスに担ぎ出された落ち目のアイドルが、このままAV女優まで転落か観衆の前でエロ女子レスラーにイカされてお仕舞いか、というところで反撃。西村"無我"修ばりの倒立から大逆転。掲載作品の中で一番、山場らしい山場を盛り上げた。しかし、武礼堂こと村正みかどは一般誌で久しぶりのはずなのに阿吽を読んでる気しかしない。